青春の思い出
昨年の秋以来、長期間まともに記事をかけませんでしたが、最近また少し時間に余裕ができましたので、更新を再開しました。
同士の皆様には、今後とも気長にお付き合いいただけると幸いです。
さて今回は、なぜかふと思い出した、青春時代のあるマゾ体験(というほどのものではないかもしれませんが、私にとっては大変な体験でした)の思い出を書きたいと思います。
私が初めて「家畜人ヤプー」と「ある夢想家の手帖から」を読んだのは、高校生のときでした。
読んだ直後は、「白人崇拝」や「汚物愛好」にかなり抵抗感を感じたのですが、次第に妄想は白人崇拝へと傾斜していきました。
「ヤプー」と「手帖」の該当箇所、それに谷崎の「肉塊」「アヱ゛・マリア」「小僧の夢」「痴人の愛」などを読んでは妄想を膨らませ、ギリシア神話の女神たちの美を崇め、ツルゲーネフやゾラの小説に現れる令嬢貴婦人の高貴に憧れました。
絵画や映画や写真の中の、白い肌をまとったのびやかな四肢を慕い、昼夜を問わず猿のように自慰に耽りました。
妄想をするたび、自慰をするたびに「脳を白く染め抜かれていく」感じ。
酔いしれるような快楽の日々。
耽美=「美に耽ける」、まさにそんな青春でした。
さて、体験というのは私の通っていた大学での話です。
私はある英国人の男性講師の英語の授業を受講していました。
年齢は30歳前後で、容姿は白人男性としては十人並みでしたが、近くでお話しすると青い眼と上品な香水の香りが印象的な方で、左手の薬指にはさりげなくリングをはめていました。
その先生の授業は分かり安く楽しかったので、私はいつも一番前に陣取って授業を聞いていました。
先生の授業は基本的に終始英語で行われるのですが、英語で表現しきれないときは片言の日本語を使ってくれました。
ある日の授業で、先生はこんなことを言ったんです。
"toilet"は「便器」という意味になるんですね。「トイレに行く」と言いたいときは"bathroom"を使ってください。
これだけです。
これを聴いた瞬間、脳から脊髄に電流が走り、キューンと胸が痛くなり、頭は真っ白、全身にゾクゾクと快感が広がりました。
最初自分でも何が起こったのかわかりませんでしたが、次の瞬間には、先生の上品なスラックスと、ベルトの銀金具のあたりを貪るように凝視し、今先生の体に収まっているもの、やがて先生の体から出されるものについて考え、うっとりと陶酔している自分に気がつきました。
そのころ私の中で芽生え、激しく煮えたぎりながらも懸命に抑圧していた「白人崇拝」と「汚物愛好」。
これが先生の一言で放電 を起こし、爆発的に発露してしまったのです。
授業が終わるまでの間、激しい動悸は治まらず、最後には呼吸が苦しくなりました。
授業が終わると、いつもは必ず質問に行っていたのに、その日は机に張り付いたままピクリともせず先生を嘗め回すように凝視している私に、先生は軽く微笑みかけて教室を出て行きました。
私はしばらくその場を離れることができませんでした。
射精こそしませんでしたが、下着はひどく濡れていました。
「先生の便器になりたい」
「どうすれば先生の排泄物を口にすることができるのか」
それ以来数ヶ月、寝ても覚めてもそんなことばかり考え、自慰を繰り返しました。
先生を前にすると、先生に見惚れ、先生の匂い嗅ぐのに一生懸命になり、頭脳は卑しい妄想に痺れきってしまうので、授業の内容はまったく頭に入らなくなりました。
授業はレコーダーで録音し、何度も何度も繰り返し聴きました。
授業が終わると、決死の思いで質問に行き、呼吸も困難な激しい動悸のまま、うわずった声で質問しました。
先生が教室を出ると、こっそり先生のあとをつけました。
先生が図書館で調べ物をしていれば、勉強をしているふりをして何時間でも先生を盗み見ていました。
先生が学食に行けば、先生が食べている姿をうっとりと見ながら、自分も先生と同じものを注文し、「今自分は先生と同じものを食べている。しかしそれは同じ種類の料理を食べているだけだ。今先生の皿に盛られているものが、先生の体を通った上で、今度は俺の皿に盛られたとしたら、どんなに幸福だろうか」なんてことを考えました。
先生が学内の移動のために使っている自転車のサドルを恭しく撫でたこともありましたし、先生の自転車になった気分を味わうために、先生の自転車の脇の地べたに正座してみたこともあります。
そのときはあまりにも昂ぶってしまって、「先生が来たら、"I want to be your bike. If you don't mind, please ride on me today."なんて、ジョークを装って言ってみよう」「先生は俺と自転車を見比べて、"Umm...you can be my stool but..can you take me to the library faster than my bike?"なんておっしゃるかしら」などと考えてしまい、ハッと我に返るまで、3時間くらい先生の自転車の脇に正座して、一生懸命に台詞の発音練習をしながら先生を待っていました。
幸か不幸か先生は現れませんでしたが。
録音した先生の授業をヘッドフォンで聴きながら自慰をしているうちに、どうしてもまた、私をこんなにも変えてしまった魔法の呪文のような先生のあの言葉が、どうしても聴きたくなりました。
ある日私は、「英米日の生活習慣の違い」をテーマに、わざと"toilet"を大量に誤用した英作文を作り、授業の後先生に質問に行きました。
作戦はうまくいきました。
先生はもう一度、あの言葉を言ってくれたのです。
「ペンキ」のように「キ」にアクセントを置いた独特の魅惑的 な発音の「便器」。
最初に聴いたときよりも、体がすんなりと刺激を受け取った感じがして、さざなみのような快感が全身に広がりました。
こっそりレコーダーに録音することもできました。
それからは、録音した先生の「便器」を聴きながら、毎日昼夜を問わずの夢のような快楽をむさぼりました。
ヘッドフォンをつけていなくても、頭の中で先生の「便器」が鳴り続けるようになるまで、さほど時間はかかりませんでした。
先生の発する「便器」という言葉は、私の妄想の中でいろいろな意味を持ちました。
あるときは英国式魔術を操る先生の魔法の呪文でした。
先生が「便器」と唱えると、私はいつ何時でも、否応なく先生の便器に変えられてしまうのです。
またあるときは、先生が私の願望を知ってしまい、先生が私に軽蔑と嫌悪を込めて私を罵倒する言葉になりました。そういうとき先生は、土下座して懇願する私の願いをかなえる代わりに、「便器」とはき捨てて、つばを吐きかけました。
先生が私の願望を知った場合、願いをかなえないまでも、侮蔑とともに哀れみを催すことも考えられました。そういうとき先生の「便器」という言葉は、私のあだ名になりました。「白乃さん」と呼んでいたのが、「便器」となるのです。先生が私に声をかけるときも「便器」、他人に紹介するときも"This is "benki" means my toilet."となるのです。
先生の「便器」という言葉が、私への略式の命令になることもありました。
先生は"Be my toilet now"とか、"Eat"とか"Drink"と言う代わりに、私に対しては「便器」と命じるのです。
こういうとき先生の「便器」は、アングロ・サクソン人らしい厳しさをもって響きました。
あるいは、先生が私を奴隷ではなく本当に器物だと認識している場合には、先生の「便器」という言葉は、「命令」ではなくたんなる「合図」になりました。
先生はもよおしたとき、トイレに立つ代わりに、リモコンを操作するような感覚で「便器」とつぶやくのです。そうすると始終先生に侍っている私が便器になる。
先生はいつ、どこで何をしていても、用を足すことができるようになります。
私は先生の日に何度か下されるこの合図を、常に全身全霊を研ぎ澄まして待ち続けるのです。
このとき、先生の「便器」という言葉はいよいよ切ないありがたみを持って響きました。
先生が、私を自由人として尊重しつつ、私の願望をかなえるパターンもありました。
先生はもよおしたとき、いちいち私の都合と意思を確認するのです。
このとき先生の「便器」という言葉は、私への略式の「申し入れ」でした。
私が"Yes, my lord!"と答えた時点で、契約が成立し、すぐさま履行されるのです。
最初は"Do you want to be my toilet now?"とか、"Would you like to eat?"とか、"Are you thirsty?"と言っていたのですが、いついかなるときでも私が申し入れを断ることはおろか、逡巡する可能性もまったくないがわかってくると、だんだん申し入れを簡略化し、ついに「便器?」"Yes, my lord"で非常に形式的に契約が成立するようになったのです。
先生の白いお尻に魅惑されている私が、申し入れを断ることなど絶対にできないことを分かっていながら、必ず私の「自発的意思」を確認することで、先生は毎回私の精神を陵辱してくれたのです。
このときの先生の言葉は、自分の体内でつくりだされるもので自由人を誘い出し、一瞬で器物にまで堕とす悪魔的な魅惑を持って響きました。
この契約妄想はさらに次のような形にまで発展しました。
先生はデスクに腰掛けて、メモを手にしながら「便器?」とつぶやきます。
足元にひざまずいていた私はすぐさま"Yes, my lord"と答えます。
先生はメモに何かを走り書きし、私に渡します。
私は恭しくそれを受け取り、内容を読んで先生に返します。
先生はメモをゴミ箱に捨て、私はメモの内容の実行に取り掛かります。
このときの先生の「便器?」という言葉は、「このメモに書いてあることを実行してくれないか。報酬として(後でもよおしたとき)自分のものを与える」という申し入れを簡略化したものです。
「徳禽獣におよぶ」先生は、あくまで私を「奴隷 」「召使 」ではなく、自由人として扱います。
私に雑務をさせるときも、「命令」ではなく、私の自発的意思による「契約」を利用します。
最初は事前にメモの内容を私に見せてからきちんと申し入れをしていたのですが、私がいかなる内容でも必ず喜んで承諾することが分かると、だんだん申し入れも簡略化され、メモも、契約成立後に書くようになりました。
私が承諾をした時点で契約は成立しています。
メモの内容の履行義務は先生がメモを書いた時点から発生します。
私が先生にメモを返したのは、メモに書かれた内容の履行義務は無期限に私を拘束するので、証拠として持っておいてもらうためと、メモの効力に期限を設けていないため、先生はいつ何時でもメモに追記する権利を持っているからです。先生がメモに追記をしたら、先生がそれを私に通知しようがしまいが、私はその時点で新たに即時履行義務を負うことになります。
しかし先生としては、また用事ができれば新たな契約をすればいいだけなので、メモは捨ててしまったのです。報酬の提供期限は設けられていませんので、先生としては、いつでも一度、私の中に排泄すれば、それまでの契約で負った義務は全て綺麗に清算できるわけです。
先生に関する妄想の思い出はまだいろいろありますが、きりがないのでこの辺にしておきます。
はたしてあれは恋だったのでしょうか。
しばらく眠らせていた記憶ですが、切ない思い出です。

同士の皆様には、今後とも気長にお付き合いいただけると幸いです。
さて今回は、なぜかふと思い出した、青春時代のあるマゾ体験(というほどのものではないかもしれませんが、私にとっては大変な体験でした)の思い出を書きたいと思います。
私が初めて「家畜人ヤプー」と「ある夢想家の手帖から」を読んだのは、高校生のときでした。
読んだ直後は、「白人崇拝」や「汚物愛好」にかなり抵抗感を感じたのですが、次第に妄想は白人崇拝へと傾斜していきました。
「ヤプー」と「手帖」の該当箇所、それに谷崎の「肉塊」「アヱ゛・マリア」「小僧の夢」「痴人の愛」などを読んでは妄想を膨らませ、ギリシア神話の女神たちの美を崇め、ツルゲーネフやゾラの小説に現れる令嬢貴婦人の高貴に憧れました。
絵画や映画や写真の中の、白い肌をまとったのびやかな四肢を慕い、昼夜を問わず猿のように自慰に耽りました。
妄想をするたび、自慰をするたびに「脳を白く染め抜かれていく」感じ。
酔いしれるような快楽の日々。
耽美=「美に耽ける」、まさにそんな青春でした。
さて、体験というのは私の通っていた大学での話です。
私はある英国人の男性講師の英語の授業を受講していました。
年齢は30歳前後で、容姿は白人男性としては十人並みでしたが、近くでお話しすると青い眼と上品な香水の香りが印象的な方で、左手の薬指にはさりげなくリングをはめていました。
その先生の授業は分かり安く楽しかったので、私はいつも一番前に陣取って授業を聞いていました。
先生の授業は基本的に終始英語で行われるのですが、英語で表現しきれないときは片言の日本語を使ってくれました。
ある日の授業で、先生はこんなことを言ったんです。
"toilet"は「便器」という意味になるんですね。「トイレに行く」と言いたいときは"bathroom"を使ってください。
これだけです。
これを聴いた瞬間、脳から脊髄に電流が走り、キューンと胸が痛くなり、頭は真っ白、全身にゾクゾクと快感が広がりました。
最初自分でも何が起こったのかわかりませんでしたが、次の瞬間には、先生の上品なスラックスと、ベルトの銀金具のあたりを貪るように凝視し、今先生の体に収まっているもの、やがて先生の体から出されるものについて考え、うっとりと陶酔している自分に気がつきました。
そのころ私の中で芽生え、激しく煮えたぎりながらも懸命に抑圧していた「白人崇拝」と「汚物愛好」。
これが先生の一言で
授業が終わるまでの間、激しい動悸は治まらず、最後には呼吸が苦しくなりました。
授業が終わると、いつもは必ず質問に行っていたのに、その日は机に張り付いたままピクリともせず先生を嘗め回すように凝視している私に、先生は軽く微笑みかけて教室を出て行きました。
私はしばらくその場を離れることができませんでした。
射精こそしませんでしたが、下着はひどく濡れていました。
「先生の便器になりたい」
「どうすれば先生の排泄物を口にすることができるのか」
それ以来数ヶ月、寝ても覚めてもそんなことばかり考え、自慰を繰り返しました。
先生を前にすると、先生に見惚れ、先生の匂い嗅ぐのに一生懸命になり、頭脳は卑しい妄想に痺れきってしまうので、授業の内容はまったく頭に入らなくなりました。
授業はレコーダーで録音し、何度も何度も繰り返し聴きました。
授業が終わると、決死の思いで質問に行き、呼吸も困難な激しい動悸のまま、うわずった声で質問しました。
先生が教室を出ると、こっそり先生のあとをつけました。
先生が図書館で調べ物をしていれば、勉強をしているふりをして何時間でも先生を盗み見ていました。
先生が学食に行けば、先生が食べている姿をうっとりと見ながら、自分も先生と同じものを注文し、「今自分は先生と同じものを食べている。しかしそれは同じ種類の料理を食べているだけだ。今先生の皿に盛られているものが、先生の体を通った上で、今度は俺の皿に盛られたとしたら、どんなに幸福だろうか」なんてことを考えました。
先生が学内の移動のために使っている自転車のサドルを恭しく撫でたこともありましたし、先生の自転車になった気分を味わうために、先生の自転車の脇の地べたに正座してみたこともあります。
そのときはあまりにも昂ぶってしまって、「先生が来たら、"I want to be your bike. If you don't mind, please ride on me today."なんて、ジョークを装って言ってみよう」「先生は俺と自転車を見比べて、"Umm...you can be my stool but..can you take me to the library faster than my bike?"なんておっしゃるかしら」などと考えてしまい、ハッと我に返るまで、3時間くらい先生の自転車の脇に正座して、一生懸命に台詞の発音練習をしながら先生を待っていました。
幸か不幸か先生は現れませんでしたが。
録音した先生の授業をヘッドフォンで聴きながら自慰をしているうちに、どうしてもまた、私をこんなにも変えてしまった魔法の呪文のような先生のあの言葉が、どうしても聴きたくなりました。
ある日私は、「英米日の生活習慣の違い」をテーマに、わざと"toilet"を大量に誤用した英作文を作り、授業の後先生に質問に行きました。
作戦はうまくいきました。
先生はもう一度、あの言葉を言ってくれたのです。
「ペンキ」のように「キ」にアクセントを置いた独特の
最初に聴いたときよりも、体がすんなりと刺激を受け取った感じがして、さざなみのような快感が全身に広がりました。
こっそりレコーダーに録音することもできました。
それからは、録音した先生の「便器」を聴きながら、毎日昼夜を問わずの夢のような快楽をむさぼりました。
ヘッドフォンをつけていなくても、頭の中で先生の「便器」が鳴り続けるようになるまで、さほど時間はかかりませんでした。
先生の発する「便器」という言葉は、私の妄想の中でいろいろな意味を持ちました。
あるときは英国式魔術を操る先生の魔法の呪文でした。
先生が「便器」と唱えると、私はいつ何時でも、否応なく先生の便器に変えられてしまうのです。
またあるときは、先生が私の願望を知ってしまい、先生が私に軽蔑と嫌悪を込めて私を罵倒する言葉になりました。そういうとき先生は、土下座して懇願する私の願いをかなえる代わりに、「便器」とはき捨てて、つばを吐きかけました。
先生が私の願望を知った場合、願いをかなえないまでも、侮蔑とともに哀れみを催すことも考えられました。そういうとき先生の「便器」という言葉は、私のあだ名になりました。「白乃さん」と呼んでいたのが、「便器」となるのです。先生が私に声をかけるときも「便器」、他人に紹介するときも"This is "benki" means my toilet."となるのです。
先生の「便器」という言葉が、私への略式の命令になることもありました。
先生は"Be my toilet now"とか、"Eat"とか"Drink"と言う代わりに、私に対しては「便器」と命じるのです。
こういうとき先生の「便器」は、アングロ・サクソン人らしい厳しさをもって響きました。
あるいは、先生が私を奴隷ではなく本当に器物だと認識している場合には、先生の「便器」という言葉は、「命令」ではなくたんなる「合図」になりました。
先生はもよおしたとき、トイレに立つ代わりに、リモコンを操作するような感覚で「便器」とつぶやくのです。そうすると始終先生に侍っている私が便器になる。
先生はいつ、どこで何をしていても、用を足すことができるようになります。
私は先生の日に何度か下されるこの合図を、常に全身全霊を研ぎ澄まして待ち続けるのです。
このとき、先生の「便器」という言葉はいよいよ切ないありがたみを持って響きました。
先生が、私を自由人として尊重しつつ、私の願望をかなえるパターンもありました。
先生はもよおしたとき、いちいち私の都合と意思を確認するのです。
このとき先生の「便器」という言葉は、私への略式の「申し入れ」でした。
私が"Yes, my lord!"と答えた時点で、契約が成立し、すぐさま履行されるのです。
最初は"Do you want to be my toilet now?"とか、"Would you like to eat?"とか、"Are you thirsty?"と言っていたのですが、いついかなるときでも私が申し入れを断ることはおろか、逡巡する可能性もまったくないがわかってくると、だんだん申し入れを簡略化し、ついに「便器?」"Yes, my lord"で非常に形式的に契約が成立するようになったのです。
先生の白いお尻に魅惑されている私が、申し入れを断ることなど絶対にできないことを分かっていながら、必ず私の「自発的意思」を確認することで、先生は毎回私の精神を陵辱してくれたのです。
このときの先生の言葉は、自分の体内でつくりだされるもので自由人を誘い出し、一瞬で器物にまで堕とす悪魔的な魅惑を持って響きました。
この契約妄想はさらに次のような形にまで発展しました。
先生はデスクに腰掛けて、メモを手にしながら「便器?」とつぶやきます。
足元にひざまずいていた私はすぐさま"Yes, my lord"と答えます。
先生はメモに何かを走り書きし、私に渡します。
私は恭しくそれを受け取り、内容を読んで先生に返します。
先生はメモをゴミ箱に捨て、私はメモの内容の実行に取り掛かります。
このときの先生の「便器?」という言葉は、「このメモに書いてあることを実行してくれないか。報酬として(後でもよおしたとき)自分のものを与える」という申し入れを簡略化したものです。
「徳禽獣におよぶ」先生は、あくまで私を「
私に雑務をさせるときも、「命令」ではなく、私の自発的意思による「契約」を利用します。
最初は事前にメモの内容を私に見せてからきちんと申し入れをしていたのですが、私がいかなる内容でも必ず喜んで承諾することが分かると、だんだん申し入れも簡略化され、メモも、契約成立後に書くようになりました。
私が承諾をした時点で契約は成立しています。
メモの内容の履行義務は先生がメモを書いた時点から発生します。
私が先生にメモを返したのは、メモに書かれた内容の履行義務は無期限に私を拘束するので、証拠として持っておいてもらうためと、メモの効力に期限を設けていないため、先生はいつ何時でもメモに追記する権利を持っているからです。先生がメモに追記をしたら、先生がそれを私に通知しようがしまいが、私はその時点で新たに即時履行義務を負うことになります。
しかし先生としては、また用事ができれば新たな契約をすればいいだけなので、メモは捨ててしまったのです。報酬の提供期限は設けられていませんので、先生としては、いつでも一度、私の中に排泄すれば、それまでの契約で負った義務は全て綺麗に清算できるわけです。
先生に関する妄想の思い出はまだいろいろありますが、きりがないのでこの辺にしておきます。
はたしてあれは恋だったのでしょうか。
しばらく眠らせていた記憶ですが、切ない思い出です。

『ある夢想家の手帖から』に紹介されている文献
沼正三の長大なエッセイ集、「ある夢想家の手帖から」に紹介されている文献をメモしていきます。(常時追加)
レオポルト・フォン・ザッハー=マゾッホ
・「女新聞社長」(第一章「夢想のドミナ」、第三三章「むちのいろいろ」付記第三)
・「毛皮を着たヴェヌス」(第一章「夢想のドミナ」、第十章「ある夢想家の哀願」、第二一章「召使願望と侍童願望」、第三三章「むちのいろいろ」付記第三、第五四章「マゾッホと犬と猫」)
・「楽園の一夜」(第五章「侯爵令嬢の愛馬」付記)
・「公妃の復讐」(第九章「生身堕畜生道」、第五四章「マゾッホと犬と猫」、付録C)
・「毛皮を着た貴婦人たち」(Die Damen in Pelz)(第十章「ある夢想家の哀願」)
・「赤い御殿」(第十章「ある夢想家の哀願」、第五四章「マゾッホと犬と猫」)
・「ロシア宮廷譚」(第三三章「むちのいろいろ」付記第二)
・「前哨に立つ女」(第四八章「女司令官の靴を舐めて……」)
・「プラトーの恋」(第五四章「マゾッホと犬と猫」)
イワン・ツルゲーネフ
・「春の水」(第二章「馬上の令嬢」、第五章「侯爵令嬢の愛馬」付記)
・「初恋」(第六章「生きた玩具としての人間馬」付記)
エミール・ゾラ
・「ナナ」(第四章「ナオミ騎乗図」、第二八章「性的隷属の王侯たち」、第四九章「私は犬です」)
・「愛の一夜のために」Pour une nuit d'amour(第五章「侯爵令嬢の愛馬」)
・「テレーズ・ラカン」(第五章「侯爵令嬢の愛馬」)
・「獣人」(第五章「侯爵令嬢の愛馬」)
ジェイムズ・ジョイス
・「ユリシーズ」(第三三章「むちのいろいろ」、第四一章「人間トイレ」)
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
・「ヴィルヘルム・マイスター」ミニオン(第一巻扉)
・「菫」(「ゲーテ詩集 ヴェルテル時代」収録)(第三六章「手を踏まれて」題辞)
ハインリヒ・ハイネ
・「唄の本 」(第五三章「ハイネの妻」)
・「ロマンツェーロー」(第五三章「ハイネの妻」)
・「最後の詩集」(第五三章「ハイネの妻」)
シャルル・ピエール・ボードレール
・「悪の華」(はしがき、第五三章「ハイネの妻」)
・「祝祷」(第五三章「ハイネの妻」)
・「時計」(第五三章「ハイネの妻」)
オヴィディウス
・「恋愛術」(「愛の技術」)(第三章「愛の馬東西談」、第四五章「犬になりたや」付記第三)
・「変身賦 」(「変身物語」)(第五章「侯爵令嬢の愛馬」付記、第八章「転生願望と畸形願望」、第一三章「ブロンドの優越」)
蒲松齢
・「聊斎志異」」(第二六章「妻による夫の虐待」)
・「醒世姻縁伝」(第二六章「妻による夫の虐待」)
ジョナサン・スイフト
・「ガリヴァー旅行記」(第一章「夢想のドミナ」付記、第十五章「有色人種家畜観」)
カレル・チャペック
・「山椒魚戦争」(樹下節訳)(第十五章「有色人種家畜観」、第十六章「家畜化小説論」)
テオフィル・ゴーティエ
・「クレオパトラの一夜」(第五章「侯爵令嬢の愛馬」付記)
・「ミイラ物語」(第二〇章「人力車夫」)
オーギュスト・ヴィリエ・ド・リラダン
・「残酷物語」(第二章「馬上の令嬢」、第五章「侯爵令嬢の愛馬」)
ジュール・シュペルヴィエル
・「人か馬か」(第八章「転生願望と畸形願望」、附録C)
・「妻との再会」(La Femme Retrouvee)(第八章「転生願望と畸形願望」)
ヘンリー・ライダー・ハガード
・「洞窟の女王」((第三〇章「女権国家の夢想」付記第一、第四五章「犬になりたや」付記第三)
ソーン・スミス(Thorne Smith)
・「迷える子羊」(The Stray Lamb)(第八章「転生願望と畸形願望」、第四五章「犬になりたや」付記第三)
E.D.(Edmund Dumoulin)
・「ロシア踊り子の回想」M醇Pmoires d'une Danseuse Russe(第六章「生きた玩具としての人間馬」、第四四章「ピカチズムと舌の役割」)
L.ゴーテ(Gothe)
・「鞭打つ女たち」(Die Geisslerinnen)(第七章「人間馬による競馬」、第十六章「家畜化小説論」付記)
・「鞭令嬢」(Fraulein Peitsche)(第一九章「輓奴車競争」)
リヒャルト・フォン・クラフト=エビング
・「病的性心理」Psychopathia Sexualis(第一章「夢想のドミナ」、第十章「ある夢想家の哀願」、第二八章「性的隷属の王侯たち」、第四〇章「人間ポット」)
アルベルト・モル
・「病的性心理」補訂(第一章「夢想のドミナ」、第二〇章「人力車夫」付記第二、第四五章「犬になりたや」)
・「性科学体系」(第一章「夢想のドミナ」付記、第七章「人間馬による競馬」)
マグヌス・ヒルシュフェルト
・「性病理学」(第三章「愛の馬東西談」、第八章「転生願望と畸形願望」、第二一章「召使願望と侍童願望」、第三五章「微視的マゾヒズム」、第四一章「人間トイレ」)
・「戦争と性」(第一三章「ブロンドの優越」、第三四章「笞刑と鞭刑」)
ハヴロック・エリス
・「性の心理」(第四〇章「人間ポット」題辞)
・「性象徴」(第四〇章「人間ポット」)
・「性の舞踏」(第四一章「人間トイレ」付記第二)
アルフレッド・キント
・「女天下」(Die Weiberherrschaft)(第五章「侯爵令嬢の愛馬」付記、第十五章「有色人種家畜観」、第二八章「性的隷属の王侯たち」、第三二章「女主人の鞭」、第三八章「漫画の効用」題辞第、付記第二)
エドゥアルト・フックス
・「女天下」(Die Weiberherrschaft)(第二〇章「人力車夫」、第二四章「昔の嬶天下」、第二八章「性的隷属の王侯たち」、第三八章「漫画の効用」付記第二)
・「性愛芸術史」(Geschichte der erotischen Kunst)(第三八章「漫画の効用」付記第一)
・「性愛図解百科」(Bilder-Lexikon der Erotik)(第三八章「漫画の効用」付記第二)
アルフレッド・キンゼイ
・「人間に於ける男性の性行為」(第三五章「微視的マゾヒズム」)
ヴィルヘルム・シュテケル
・「欲動生活および情緒生活の諸障害」(第四六章「夫を飼う決心」)
・「近代の結婚」(第四六章「夫を飼う決心」)
テオドール・ライク
・「マゾヒズムと現代人」(「性と社会におけるマゾヒズム」)(第四六章「夫を飼う決心」)
谷崎潤一郎
・「無明と愛染」(第三章「愛の馬東西談」)
・「痴人の愛」(第四章「ナオミ騎乗図」、第一四章「白人崇拝」、第五三章「ハイネの妻」)
・「饒太郎 」(第四章「ナオミ騎乗図」付記、第一四章「白人崇拝」付記、第二三章「ある派出夫会の設立案」)
・「玄奘三蔵」(第四章「ナオミ騎乗図」付記)
・「ハッサンカンの妖術」(第四章「ナオミ騎乗図」付記)
・「麒麟」(第四章「ナオミ騎乗図」付記)
・「少年」(第五章「侯爵令嬢の愛馬」、第四〇章「人間ポット」付記第一、第四四章「ピカチズムと舌の役割」)
・「武州公秘話」(第九章「生身堕畜生道」)
・「アヴェ・マリア」(第一二章「象徴としての皮膚の色」、第一四章「白人崇拝」)
・「独探」(第一三章「ブロンドの優越」、第一四章「白人崇拝」)
・「人魚の嘆き」(第一四章「白人崇拝」)
・「蓼喰ふ虫」(第一四章「白人崇拝」)
・「白狐の湯」(第一四章「白人崇拝」)
・「肉塊」(第一四章「白人崇拝」)
・「富美子の足」(第一四章「白人崇拝」付記)
・「魔術師」(第一四章「白人崇拝」付記)
・「瘋癲老人日記」(第一四章「白人崇拝」付記)
・「異端者の悲しみ」(第一四章「白人崇拝」付記)
・「細雪」(第十六章「家畜化小説論」)
・「春琴抄」(第二一章「召使願望と侍童願望」、第三二章「女主人の鞭」)
・「蘆刈」(第二一章「召使願望と侍童願望」)
・「恋を知る頃」(第二一章「召使願望と侍童願望」)
・「黒白」(第二三章「ある派出夫会の設立案」)
・「千万子抄」(第二七章「女のズボン」)
・「The Affair of Two Watches」(第四三章「対象神格化の心理」題辞)
・「少将滋幹の母」(第四三章「対象神格化の心理」付記第三)
・「乱菊物語」(第四三章「対象神格化の心理」付記第三)
・「日本におけるクリップリン事件」(第五一章「犬好きの女と猫好きの男」題辞)
・「猫と庄造と二人のをんな」(第五一章「犬好きの女と猫好きの男」題辞)
森鴎外
・「蛇」(第三四章「笞刑と鞭刑」)
・「諸国物語」(第三四章「笞刑と鞭刑」)
芥川龍之介
・「世之介の話」(第三六章「手を踏まれて」)
・「好色」(第四三章「対象神格化の心理」付記第三)
・「ワン」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
永井荷風
・「あめりか物語」(第一四章「白人崇拝」)
太宰治
・「御伽草子」(第一章「夢想のドミナ」付記)
・「男女同権」(第二六章「妻による夫の虐待」)
遠藤周作
・「アデンまで」(第一二章「象徴としての皮膚の色」)
・「白い人・黄色い人」(第一二章「象徴としての皮膚の色」)
・「月光のドミナ」(第一二章「象徴としての皮膚の色」、第一四章「白人崇拝」付記)
・「女王」(第一二章「象徴としての皮膚の色」)
・「有色人種と白色人種」(第一二章「象徴としての皮膚の色」)
江戸川乱歩
・「江川蘭子」(第三章「愛の馬東西談」付記)
・「猟奇の果」(第四章「ナオミ騎乗図」)
・「影男」(第四章「ナオミ騎乗図」)
菊池寛
・「真珠婦人」(第二章「馬上の令嬢」)
・「火花」(第二章「馬上の令嬢」)
斎藤茂吉
・「赤光」(第八章「転生願望と畸形願望」)
・「滞欧随筆」(「蕨」)(第一二章「象徴としての皮膚の色」)
佐藤春夫
・「のんしやらん記録」(第二一章「召使願望と侍童願望」)
丹羽文雄
・「恋文」(第一八章「ある植民地的風景」)
・「藤代大佐」(第二六章「妻による夫の虐待」)
夢野久作
・「ドグラ・マグラ」(第五二章「夫を飼う」付記第一)
・「あやかしの鼓」(第五二章「夫を飼う」付記第一)
船橋聖一
・「破れた花詩集」(第二一章「召使願望と侍童願望」)
・「雪夫人絵図」(第二一章「召使願望と侍童願望」)
田村泰次郎
・「女の復讐」(第二五章「妻による夫の虐待」付記第二)
・「現代詩」(第二六章「妻による夫の虐待」付記第二)
吉屋信子
・「双鏡」(第二章「馬上の令嬢」付記)
・「蝶」(第二章「馬上の令嬢」付記)
・「お嬢さん」(第二章「馬上の令嬢」付記)
・「日本人クラブ」(第二章「馬上の令嬢」付記)
野村胡堂
・「笑う悪魔」(第四章「ナオミ騎乗図」付記)
・「美男狩」(第五章「侯爵令嬢の愛馬」付記)
香山滋
・「深海魚」(第八章「転生願望と畸形願望」)
・「ナナ夫人」(第八章「転生願望と畸形願望」)
岸田國士
・「鞭を鳴らす女」(第二章「馬上の令嬢」)
・「日本人畸形説」(第一一章「西洋人への劣等感」)
・「道遠からん」(第二五章「エプロン亭主」付記第二)
三橋一夫
・「サカサマ天国」(第二五章「エプロン亭主」)
・「あべこべ夫婦」(第二五章「エプロン亭主」)
・「足袋」(第二五章「エプロン亭主」)
小野佐世男
・「男の一生」(第三八章「漫画の効用」)
・「百年後の世界」(第三八章「漫画の効用」)
天野哲夫
・「ゴルドンの記憶」《裏窓》(阿麻哲郎名義)(第八章「転生願望と畸形願望」付記)
・「ルビアナ国紀行」(阿麻哲郎名義)(第八章「転生願望と畸形願望」付記)
・「いざない」《奇譚クラブ》(黒田史郎名義)(第九章「生身堕畜生道」、第二三章「ある派出夫会の設立案」)
・「女中になりたい男の話」《裏窓》(黒田史郎名義)(第二三章「ある派出夫会の設立案」)
・「畜獣デリムソン」《裏窓》(阿麻哲郎名義)(第三〇章「女権国家の夢想」付記第二)
・「禁じられた女性崇拝」(第三六章「手を踏まれて」付記第一)
・「女帝ジャクリーンの降臨」(第四七章「犬のくせに……」付記第一)
森下高茂
・「乗馬服と長靴と鞭」(森本愛造名義)《奇譚クラブ》(第二章「馬上の令嬢」)
・「或る被虐性愛者の手記」(天泥盛栄名義)《奇譚クラブ》(第二章「馬上の令嬢」、第八章「転生願望と畸形願望」、第一四章「白人崇拝」、第二七章「女のズボン」)
・「マゾレター」(「レターM」)《風俗奇譚》(第一四章「白人崇拝」)
・「鞭について」(第三三章「むちのいろいろ」付記第四)
・「残虐なる女性達画集」(森本愛造名義)《奇譚クラブ》(第三八章「漫画の効用」付記第一)
白野勝利
・「現代の魔女」(第五二章「夫を飼う」付記第二)
鞍良人
・「馬化白書」《奇譚クラブ》(第二章「馬上の令嬢」)
・「続・跨る女性たち」《奇譚クラブ》(第三章「愛の馬東西談」)
真砂十四郎
・「二百字賛歌」《奇譚クラブ》(第三章「愛の馬東西談」付記、第二五章「妻による夫の虐待」、第四〇章「人間ポット」)
・「ヴィナスの重石」《奇譚クラブ》(第十六章「家畜化小説論」、第四九章「私は犬です」)
とやま・かずひこ
・「マニアの記録」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」)
・「かずひこのノート」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」、第三五章「微視的マゾヒズム」付記)
・「愛好者の記録」《奇譚クラブ》(第九章「生身堕畜生道」、第四一章「人間トイレ」)
佐野寿
・「アマゾネス考」《奇譚クラブ》(第二章「馬上の令嬢」)
・「女神アイリーンとR氏」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」付記)
田沼醜男
・「同じ人種ではなかった」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」)
・「悪魔の唇」《裏窓》(第一四章「白人崇拝」付記)
・「マゾヒズム天国」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」付記)
・「派出夫会経理」《奇譚クラブ》(第二三章「ある派出夫会の設立案」)
・「タツノオトシゴ考」《奇譚クラブ》(第三〇章「女権国家の夢想」付記第一)
・「タイム・マシーン」《奇譚クラブ》(第四五章「犬になりたや」付記第四)
・「ライレーン」《奇譚クラブ》(第四五章「犬になりたや」付記第四)
三原寛
・「ラムール・デスクラヴァージュ」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」付記)
・「シチュエーション・ウォンテッド」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」付記)
・「ソバイの記録」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」付記)
河津安春
・「妹背契三世機関 」《奇譚クラブ》(第八章「転生願望と畸形願望」付記、第四八章「女司令官の靴を舐めて……」付記第一)
・「国際秘密結社ISSSL」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」付記、第四八章「女司令官の靴を舐めて……」付記第一)
土路草一
・「壊滅の前夜」《奇譚クラブ》(第十六章「家畜化小説論」)
・「魔教圏No.8」《奇譚クラブ》(第十六章「家畜化小説論」)
真木不二夫
・「黄色オラミ誕生」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」、第三〇章「女権国家の夢想」付記第二)
・「美しき悪魔の哄笑」《奇譚クラブ》(第四〇章「人間ポット」)
夏木青嵐
・「鞭うつ伯爵夫人」《風俗奇譚》(第一四章「白人崇拝」付記)
・「黄色奴隷」(第一四章「白人崇拝」付記)
・「女権国家の軍隊」《SMファンタジア》(第一四章「白人崇拝」付記、第四一章「人間トイレ」付記第四)
・「美しき暴君」(第四〇章「人間ポット」付記第二)
南村蘭
・「ピララの敗北」《裏窓》(第一四章「白人崇拝」付記)
・「黄色い肌の犬」《裏窓》(第九章「生身堕畜生道」、第一四章「白人崇拝」付記)
・「白い肌と黄色い画家」《裏窓》(第一四章「白人崇拝」付記)
原田沼三
・「アマゾンの人間馬」《問題SM小説》(第七章「人間馬による競馬」付記、第十六章「家畜化小説論」)
芳野眉美
・「孤独なfantasy」(第四一章「人間トイレ」、第四三章「対象神格化の心理」)
鬼山絢策
・「らぶ・すれいぶ」《奇譚クラブ》(第四四章「ピカチズムと舌の役割」、第四九章「私は犬です」)
・「アマゾンの牝豹」《奇譚クラブ》(第四四章「ピカチズムと舌の役割」付記第二)
・「地獄の狂楽」(「甘美なる狂宴」)《あまとりあ》(第四四章「ピカチズムと舌の役割」付記第二)
杉本真一
・「犬の生態」《奇譚クラブ》(第二三章「ある派出夫会の設立案」、第四四章「ピカチズムと舌の役割」付記第三、第四九章「私は犬です」)
・千坂朝彦「ツァラツトラ哀傷」(はしがき)
・山田正実「サド女性の覆面」《奇譚クラブ》(第一章「夢想のドミナ」付記)
・諸岡堅雄「当代女武勇列伝」《奇譚クラブ》(第一章「夢想のドミナ」付記)
・「竹取物語」(第一章「夢想のドミナ」付記)
・「白縫譚 」(第一章「夢想のドミナ」付記)
・N.O.ブラウン「エロスとタナトス」(第一章「夢想のドミナ」付記)
・フランス・ノリ「十六歳」(第二章「馬上の令嬢」)
・乗杉貴代子「ダイアナ夫人」《奇譚クラブ》(第二章「馬上の令嬢」)
・山本節夫「私のヰタ・セクシュアリス」《奇譚クラブ》(第二章「馬上の令嬢」)
・馬場喬次「女性乗馬考」《奇譚クラブ》(第二章「馬上の令嬢」)
・映画「双頭の鷲」(第二章「馬上の令嬢」第四三章、「対象神格化の心理」付記第二)
・映画「プリンセス・シシー」(第二章「馬上の令嬢」)
・「木蘭詩」(第二章「馬上の令嬢」)
・文鉄仙「児女英雄伝」(第二章「馬上の令嬢」)
・笹川臨風「伝奇日女若」(第二章「馬上の令嬢」)
・映画「キャサリン大帝」(第二章「馬上の令嬢」)
・マルセル・プレヴォー「半処女」(第二章「馬上の令嬢」)
・プロスペル・メリメ「コロンバ」(第二章「馬上の令嬢」)
・吉井勇(第二章「馬上の令嬢」)
・加藤武雄「珊瑚の鞭」(第二章「馬上の令嬢」)
・田代俊夫「続・みみずのたわごと」《奇譚クラブ》(第二章「馬上の令嬢」付記)
・瀬戸内晴美(寂聴)「火の蛇」(第二章「馬上の令嬢」付記)
・三島由紀夫「夜会服」(第二章「馬上の令嬢」付記)
・ホメロス「イーリアス」(第三章「愛の馬東西談」)
・ヴァン・デ・ヴェル「完全な婚姻」騎乗位の章(第三章「愛の馬東西談」)
・フォルベルグ「性愛の諸相」(第三章「愛の馬東西談」)
・「パンチャタントラ」(古代インドの説話集)(第三章「愛の馬東西談」)
・「ヴィーナスの車」Der Venuswagen(第三章「愛の馬東西談」)
・「ゲスタ・ロマノルム」(中世欧州の説話集)(第三章「愛の馬東西談」)
・オットー・ゴールドマン「サディズム論」(第三章「愛の馬東西談」)
・シドロヴィッツ編「悪習の風俗史」(第三章「愛の馬東西談」)
・小林秀雄「谷崎潤一郎論」(第四章「ナオミ騎乗図」)
・金丸壮吉「女の足の魅力」《奇譚クラブ》(第四章「ナオミ騎乗図」付記)
・映画「痴人の愛」(1949年、1960年、1967年)(第四章「ナオミ騎乗図」付記、第四三章「対象神格化の心理」付記第二)
・ジャコモ・カサノヴァ「カサノヴァ回想録」(「我が生涯の物語」)(第五章「侯爵令嬢の愛馬」)
・渡辺一夫「戦国明暗二妃」(第五章「侯爵令嬢の愛馬」付記)
・シューバルト「吸血魔女」Vampir(第五章「侯爵令嬢の愛馬」付記、第六章「生きた玩具としての人間馬」付記)
・ハインリヒ・フォン・クライスト「ペンテジレーア」(第五章「侯爵令嬢の愛馬」付記)
・浜尾四郎「マダムの殺人」(第五章「侯爵令嬢の愛馬」付記)
・「二本脚の馬」(第六章「生きた玩具としての人間馬」)
・河上肇「自伝」(第六章「生きた玩具としての人間馬」付記)
・レフ・トルストイ「戦争と平和」(第六章「生きた玩具としての人間馬」付記)
・ベルナール・ヴァロネス「Le Club des Monteurs Humaines」(人間乗用畜クラブ)(第六章「生きた玩具としての人間馬」付記)
・ドン・ブランナス・アレラ「奴隷祭」(第七章「人間馬による競馬」付記)
・映画「無頼の谷」(1952年、米)(第七章「人間馬による競馬」付記)
・泉鏡花「高野聖」(第八章「転生願望と畸形願望」)
・日夏由岐夫「まにあ地獄」《風俗草紙》(第八章「転生願望と畸形願望」)
・ウィリアム・シェイクスピア「真夏の夜の夢」(第九章「生身堕畜生道」)
・一休禅師「狂雲集」(第九章「生身堕畜生道」)
・河真田子路「私のマゾヒズム断片」《奇譚クラブ》(第九章「生身堕畜生道」)
・パウル・エングリッシュ「好色文学史」(「世界艶笑芸術」)(第十章「ある夢想家の哀願」)
・高村光太郎「根付の国」(第一一章「西洋人への劣等感」)
・厨川白村「象牙の塔を出て」(第一一章「西洋人への劣等感」)
・加藤周一「ある旅行者の思想」(第一一章「西洋人への劣等感」)
・森有正「城門のかたわらにて」(第一一章「西洋人への劣等感」)
・我妻洋・ 米山俊直「偏見の構造」(第一一章「西洋人への劣等感」、第一二章「象徴としての皮膚の色」)
・戸伏太平「洋娼史談」(第一一章「西洋人への劣等感」)
・河崎一郎「Japan Unmasked」(「素顔の日本」)(第一一章「西洋人への劣等感」)
・高橋敷「みにくい日本人」(第一一章「西洋人への劣等感」)
・ハインリヒ・ハイネ「白象」(第一三章「ブロンドの優越」)
・ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ「肉体美」(第一三章「ブロンドの優越」)
・エルンスト・クレッチマー「天才の心理学」(第一三章「ブロンドの優越」)
・アルフレート・ローゼンベルク「二〇世紀の神話」(第一三章「ブロンドの優越」)
・アリオスト「狂乱のオルランド」(第一三章「ブロンドの優越」)
・クルツィオ・マラパルテ「皮」(第一三章「ブロンドの優越」)
・H.F.ペータース「ルー・サロメ 愛と生涯」(第一三章「ブロンドの優越」)
・シュタッケルベルク「バルト地方の闘争下の生活」(第一三章「ブロンドの優越」)
・「フィガロの結婚」(第一三章「ブロンドの優越」)
・会田雄次「アーロン収容所」(第一三章「ブロンドの優越」)
・中村光夫「谷崎潤一郎論」(第一四章「白人崇拝」)
・角田平八「あなたの鞭の下に」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」)
・麻生和夫「第七天国」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」)
・野口武彦「谷崎潤一郎論」(第一四章「白人崇拝」付記)
・梶山季之「男を飼う」(第一四章「白人崇拝」付記)
・市川晴子「欧米の隅々」(第十五章「有色人種家畜観」)
・デイヴィッド・ガーネット「動物園に入った男」(第十五章「有色人種家畜観」)
・リヒヤルト・ヒュルゼンベック「この目で見たアフリカ」(第十五章「有色人種家畜観」)
・エーリヒ・フロム「自由からの逃走」(第十六章「家畜化小説論」)
・Robert Abernathy「ピラミッド」(第十六章「家畜化小説論」付記)
・Finn O'Donnevan「アンクル・トムの星」(第十六章「家畜化小説論」付記)
・ジョン・ハワード・グリフィン「私のように黒い夜」(第一七章「混血への妄想」)
・久米正雄「日本米州論」(第一七章「混血への妄想」)
・志賀直哉「国語問題」(第一七章「混血への妄想」)
・カール・ハインリッヒ・シュトラッツ「女体の種族美」(第一七章「混血への妄想」)
・ビルリンガー「残酷な女性」(第一九章「輓奴車競争」)
・ハリエット・ビーチャー・ストウ「アンクル・トムの小屋」(第一九章「輓奴車競争」、第三二章「女主人の鞭」)
・ポール・ヴァレリー「楽劇セミラミス」(第二〇章「人力車夫」)
・クリストファー・マーロウ「帖木児 大王」(「タンバレイン大王」)(第二〇章「人力車夫」)
・ハロルド・ラム「Tamerlane」(第二〇章「人力車夫」)
・マルク・ラジ・アナンド「苦力 大王」(第二〇章「人力車夫」)
・映画「無法松の一生」(第二〇章「人力車夫」付記第一)
・フョードル・ソログープ「死の勝利」(第二一章「召使願望と侍童願望」)
・坂口安吾「ジロリの女」(第二一章「召使願望と侍童願望」)
・映画「北ホテル」(1949年、フランス)(第二一章「召使願望と侍童願望」)
・谷崎松子「倚松庵の夢」(第二一章「召使願望と侍童願望」)
・ジュリアン・ロビンソン「女性支配 」(第二一章「召使願望と侍童願望」付記)
・犬養道子「世界放浪記」(第二二章「奴隷志願」付記第二)
・佐々木邦「昭和派出夫会」(第二三章「ある派出夫会の設立案」)
・秋好馨「ますらお派出夫会」(第二三章「ある派出夫会の設立案」、第三八章「漫画の効用」)
・紅隷児「白き館の女王たち」《風俗奇譚》(第二三章「ある派出夫会の設立案」)
・アントン・チェーホフ「煙草の害について」(第二四章「昔の嬶天下」)
・錘坊「幸福なる隷属の告白」《奇譚クラブ》(第二四章「昔の嬶天下」)
・榎本利子「悪癖」《奇譚クラブ》(第二四章「昔の嬶天下」、第四〇章「人間ポット」)
・ハンス・ザックス「ひどい煙」(第二四章「昔の嬶天下」)
・幸田露伴「付焼刃」(第二四章「昔の嬶天下」付記第二)
・モリエール「ジョルジュ・ダンダン」(第二四章「昔の嬶天下」付記第四)
・萩原朔太郎「虚妄の正義」(第二五章「エプロン亭主」)
・ヘレン・ガーリー・ブラウン「Sex and the Single Girl」(第二五章「エプロン亭主」)
・「万葉集」(第二五章「エプロン亭主」)
・三宅艶子「男性飼育法」(第二五章「エプロン亭主」付記第二)
・フランソワーズ・サガン「一年ののち」(第二六章「妻による夫の虐待」)
・「バートン版 千夜一夜物語」(第二六章「妻による夫の虐待」、第四八章「女司令官の靴を舐めて……」題辞)
・ハンス・ラウ「人類錯迷史論」(第二六章「妻による夫の虐待」付記第一)
・ドラマ「奥様は魔女」(第二六章「妻による夫の虐待」追記)
・「国語」(中国史書)(第二六章「妻による夫の虐待」付記第一)
・花登筺「売らいでか」(第二六章「妻による夫の虐待」付記第三)
・古谷三敏「ダメおやじ」(第二六章「妻による夫の虐待」付記第四)
・稲垣足穂「A感覚とV感覚」(第二七章「女のズボン」)
・村上信彦「女について・反女性論的考察」「歪められた性」「服装の歴史」(第二七章「女のズボン」)
・エベルハルト「婦人解放とその性的基礎」(第二七章「女のズボン」、第二九章「男性の衰微」)
・エリック・ギル「衣装論」(第二七章「女のズボン」)
・花森安治「スカートへの郷愁について」(第二七章「女のズボン」)
・映画「唇からナイフ」(1966年、米)(第二七章「女のズボン」)
・出久信男「捕虜の洗礼」《奇譚クラブ》(第二七章「女のズボン」)
・映画「王家の谷」(1954年、米)(第二七章「女のズボン」)
・ヨアヒム・パウリ「性的虐待 」(第二七章「女のズボン」)
・劉向「古列女伝」(第二七章「女のズボン」)
・柳井敬子「褌夢譚 」《奇譚クラブ》(第二七章「女のズボン」付記第二)
・「晏子春秋」(第二七章「女のズボン」付記第四)
・ロバート・グレイヴス「暗黒の女神」(第二七章「女のズボン」付記第七)
・ジョン・キーツ「無慈悲の美姫」(La Belle Dame Sans Merci)(第二八章「性的隷属の王侯たち」)
・ピエール・ルイス「女と人形」(第二八章「性的隷属の王侯たち」)
・黒淵嬰一「ペリサリウスとアントニナ」《奇譚クラブ》(第二八章「性的隷属の王侯たち」)
・映画「歴史は女で作られる」(1955年、仏・西独)(第二八章「性的隷属の王侯たち」)
・火野葦平「洗い髪の女」(第二八章「性的隷属の王侯たち」)
・ジャン・コクトー「アメリカ人への手紙」(第二九章「男性の衰微」)
・マルグリット「おとこ娘 」(第二九章「男性の衰微」)
・アンリ・ダンフルヴィル「性の難破」(第二九章「男性の衰微」)
・ブランドン「ジョイ・キラー」(第二九章「男性の衰微」付記)
・アリストパネス「女の議会」(第三〇章「女権国家の夢想」)
・「図像鏡花縁」(第三〇章「女権国家の夢想」)
・エルナ・ノイマン「むち令嬢 」(第三〇章「女権国家の夢想」)
・アシュレー・モンタギュウ「女性、この優れたるもの」(第三〇章「女権国家の夢想」)
・モーリス・テスカ「女性に関する十五章」(第三〇章「女権国家の夢想」)
・マイケル・リー「秘密クラブの実態」(The Velet Underground)(第三〇章「女権国家の夢想」)
・ジュディス・メリル「生き続けるのは宇宙船」(Survival Ship)(第三〇章「女権国家の夢想」)
・ウィリアムソン「堕ちた男」(MAN Down)(第三〇章「女権国家の夢想」)
・アンソニー「眠り玉」(The Hypnoglyph)(第三〇章「女権国家の夢想」)
・E・E・スミス「第二段階レンズマン」(Second Stage Lensman)(第三〇章「女権国家の夢想」)
・サクス・ローマー「Sumuruシリーズ」(第三〇章「女権国家の夢想」付記第一)
・ハクスリイ「Brave New World」(第三〇章「女権国家の夢想」付記第二)
・「古今集」(第二巻扉)
・「今昔物語」(第三二章「女主人の鞭」)
・川口松太郎「月夜鴉」(第三二章「女主人の鞭」)
・「旧約聖書」(第三三章「むちのいろいろ」)
・オスカア・ワイゼ「ドイツ風土記」第二版(第三三章「むちのいろいろ」)
・アレクサンダー・レイク「アフリカの猛獣」(第三三章「むちのいろいろ」付記第五)
・アントン・チェーホフ「サガレン島」(第三四章「笞刑と鞭刑」)
・徳齢女史「西太后に侍して」(第三四章「笞刑と鞭刑」)
・フレデリック・フォーサイス「オデッサ・ファイル」(第三四章「笞刑と鞭刑」付記第二)
・西田幾多郎「善の研究」(第三六章「手を踏まれて」題辞)
・魔像保「色惚けのページ」《奇譚クラブ》(第三六章「手を踏まれて」付記第一)
・ジークムント・フロイト「詩人の空想」(第三七章「鼠入りハイヒール」題辞)
・ヴィルヘルム・ハウフ「鼻の小人」(「アレッサンドリア物語」収録)(第三七章「鼠入りハイヒール」)
・清水崑「かっぱ天国」(第三八章「漫画の効用」)
・杉浦幸雄「アトミックのおぼん」(第三八章「漫画の効用」)
・加藤芳郎「あほだら漫画集」「ペンペン物語」(第三八章「漫画の効用」)
・荻原堅次「太郎冠者物語」(第三八章「漫画の効用」)
・横山隆一「ミスター丸楠」(第三八章「漫画の効用」)
・西川辰美「弱木亭主」「最高殊勲夫人」(第三八章「漫画の効用」)
・小島功「仙人部落」(第三八章「漫画の効用」)
・レオ・シドロヴィッツ「風俗史」「女性万能」(第三八章「漫画の効用」付記第二)
・クルト・モレック「近代文化風俗史」(第三八章「漫画の効用」付記第二)
・石森章太郎「009ノ1」(第三八章「漫画の効用」付記第三)
・マテル・ドロロザ「受苦の園」(第三九章「マゾヒストの詩」題辞)
・オクターヴ・ミルボー「刑場」(第三九章「マゾヒストの詩」付記第一)
・コルヴィン「鞭撻者 」(第三九章「マゾヒストの詩」付記第二)
・ルネ・エチアンブル「肉体の紋章」(第三九章「マゾヒストの詩」付記第三)
・富岡陽夫「まぞひすと・さじすと」《奇譚クラブ》(第四〇章「人間ポット」)
・桜井英一「女看守と囚人」《奇譚クラブ》(第四〇章「人間ポット」)
・沢井和雄「奈落の欲情」《奇譚クラブ》(第四〇章「人間ポット」)
・馬族保「牛乳風呂の饗宴」《奇譚クラブ》(第四〇章「人間ポット」)
・馬場好男「マゾヒズム百景」《奇譚クラブ》(第四〇章「人間ポット」、第四一章「人間トイレ」)
・高木伸夫「魔の味わい」《奇譚クラブ》(第四〇章「人間ポット」)
・「ジョジュアヌとその奴隷」Josiane et Esclave(第四〇章「人間ポット」、第四四章「ピカチズムと舌の役割」)
・佐津真帆「若い女の足に狂う」《奇譚クラブ》(第四〇章「人間ポット」)
・二宮忠一「人間便所の妄想狂」《奇譚クラブ》(第四〇章「人間ポット」、第四一章「人間トイレ」)
・大下宇陀児「恐るべき教師」(第四〇章「人間ポット」)
・ファンツマー「性欲の愛情」(第四〇章「人間ポット」付記第二)
・金子光晴「水勢」(第四一章「人間トイレ」)
・マルキ・ド・サド「ソドムの百二十日」(第四一章「人間トイレ」)
・高倉テル「ミソ・クソその他」(第四一章「人間トイレ」)
・李家正文「厠風土記」(第四一章「人間トイレ」)
・「鞭の下の浄福」Unter der Peitsche Seling(第四一章「人間トイレ」付記第一)
・ジョン・グレゴリー・バーク「汚物の民俗」(第四一章「人間トイレ」付記第四)
・ラルフ・ウォーレス「服従学校」School of Obedience(第四二章「女神を求めて」付記)
・「犬子 集」(第四三章「対象神格化の心理」題辞)
・沢井和雄「奈落の欲情」《奇譚クラブ》(第四三章「対象神格化の心理」)
・二宮忠一「人間便器の妄想狂」《奇譚クラブ》(第四三章「対象神格化の心理」)
・林髞「血液記」《奇譚クラブ》(第四三章「対象神格化の心理」)
・映画「ローマの休日」(1953年、米)(第四三章「対象神格化の心理」付記第二)
・映画「クレオパトラ」(1963年、米)(第四三章「対象神格化の心理」付記第二)
・映画「嘆きの天使」(1930年、米)(第四三章「対象神格化の心理」付記第二)
・「宇治拾遺」巻三(第四三章「対象神格化の心理」付記第三)
・「カーマ・スートラ」(第四四章「ピカチズムと舌の役割」)
・高橋鐵「紅閨秘厘」(第四四章「ピカチズムと舌の役割」)
・「末摘花」(第四四章「ピカチズムと舌の役割」)
・プチット「四億の民の女支配者」(第四四章「ピカチズムと舌の役割」)
・芭蕉「嵯峨日記」(第四五章「犬になりたや」題辞)
・西脇順三郎「恋歌」(第四五章「犬になりたや」題辞)
・井上靖「あした来る人」(第四五章「犬になりたや」)
・映画「わんわん物語」(第四五章「犬になりたや」)
・「カター・サリット・サーガラ」(印度伝説集)(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・マルチアリス「エピグラム」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・C・オトウェイ「ヴェニス落ちず」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・W・H・リール「物言わぬ議員」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・フランツ・カフカ「ある犬の回想」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・トーマス・マン「主人と犬」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・ジェームス・マシュー・ バリー「ピーターパン」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・朝山蜻一「僕はちんころ」(第四五章「犬になりたや」付記第三第四七章「犬のくせに……」付記第一)
・小野洋生「しっぽ」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・三上於兎吉「獣心」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・林房雄「白夫人の妖術」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・中勘助「犬」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・ユーリエフ「四つ足になった金融王」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・ギ・ド・モーパッサン「イヴェット」(第四五章「犬になりたや」付記第四)
・ウォルター・ベンジャミン「支配的女性の性的魅力」(The Erotic Attraction of Dominating Female)(第四五章「犬になりたや」付記第五)
・「パーシャンダーサ」(Parshandatha;ヒンズー・ドラヴィダ神話)(第四五章「犬になりたや」付記第五)
・デヴィ・スカルノ「パリからの手紙」(第四五章「犬になりたや」付記第六)
・ヴルフェン「性犯罪人としての女」(第四六章「夫を飼う決心」題辞)
・ヴィルヌーヴ夫人「美女と獣畜 」(第四七章「犬のくせに……」題辞)
・ジャン・デュトゥール「犬の頭」(第四七章「犬のくせに……」)
・石川淳「夷斎俚言」(第四七章「犬のくせに……」)
・宮内二三夫「畜類人間」《風俗草紙》(第四七章「犬のくせに……」付記第一)
・畑正憲「人と犬」(第四七章「犬のくせに……」付記第一)
・カ・ツェトニク「痛ましきダニエラ」(第四八章「女司令官の靴を舐めて……」題辞)
・李賀「感諷」(第四八章「女司令官の靴を舐めて……」)
・「世界神話伝説大系ペルシャ篇」(第四八章「女司令官の靴を舐めて……」付記第一)
・メルツバッハ「性感の異常現象」(第四九章「私は犬です」)
・アンナ・ブランチ「犬に寄す」(第五〇章「犬と猫」題辞)
・モンテーニュ「随想録」(第五〇章「犬と猫」題辞)
・サキ「猫の偉業」(第五〇章「犬と猫」付記)
・バウチャー「征服 」(第五〇章「犬と猫」付記)
・マルテルリンク「青い鳥」(第五〇章「犬と猫」付記)
・ハインライン「自由未来」(第五〇章「犬と猫」付記)
・A・ビアス「悪魔の辞典」(第五〇章「犬と猫」付記)
・ルトガース「性生活」(第五一章「犬好きの女と猫好きの男」)
・ヤコブセン「霧の中の射撃」(第五二章「夫を飼う」題辞)
・エマニュエル・フェオ「リズ・わが怖るべき女主人」(「リズ・テーラーの私生活」)(第五二章「夫を飼う」題辞)
・木場草介「犬の変奏曲 」(第五二章「夫を飼う」)
・福島正実「転位」(「SFの夜」中)(第五二章「夫を飼う」付記第二)
・ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)「東西文学評論」(第五三章「ハイネの妻」)
・阿部良雄「おお美 しの女性、魂を容赦なく鞭打つ者よ……」(ポードレール評訳その一)《都市》[別冊]所収、「おお、奴隷なる女王よ」《ユリイカ》(第五三章「ハイネの妻」付記)
レオポルト・フォン・ザッハー=マゾッホ
・「女新聞社長」(第一章「夢想のドミナ」、第三三章「むちのいろいろ」付記第三)
・「毛皮を着たヴェヌス」(第一章「夢想のドミナ」、第十章「ある夢想家の哀願」、第二一章「召使願望と侍童願望」、第三三章「むちのいろいろ」付記第三、第五四章「マゾッホと犬と猫」)
・「楽園の一夜」(第五章「侯爵令嬢の愛馬」付記)
・「公妃の復讐」(第九章「生身堕畜生道」、第五四章「マゾッホと犬と猫」、付録C)
・「毛皮を着た貴婦人たち」(Die Damen in Pelz)(第十章「ある夢想家の哀願」)
・「赤い御殿」(第十章「ある夢想家の哀願」、第五四章「マゾッホと犬と猫」)
・「ロシア宮廷譚」(第三三章「むちのいろいろ」付記第二)
・「前哨に立つ女」(第四八章「女司令官の靴を舐めて……」)
・「プラトーの恋」(第五四章「マゾッホと犬と猫」)
イワン・ツルゲーネフ
・「春の水」(第二章「馬上の令嬢」、第五章「侯爵令嬢の愛馬」付記)
・「初恋」(第六章「生きた玩具としての人間馬」付記)
エミール・ゾラ
・「ナナ」(第四章「ナオミ騎乗図」、第二八章「性的隷属の王侯たち」、第四九章「私は犬です」)
・「愛の一夜のために」Pour une nuit d'amour(第五章「侯爵令嬢の愛馬」)
・「テレーズ・ラカン」(第五章「侯爵令嬢の愛馬」)
・「獣人」(第五章「侯爵令嬢の愛馬」)
ジェイムズ・ジョイス
・「ユリシーズ」(第三三章「むちのいろいろ」、第四一章「人間トイレ」)
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
・「ヴィルヘルム・マイスター」ミニオン(第一巻扉)
・「菫」(「ゲーテ詩集 ヴェルテル時代」収録)(第三六章「手を踏まれて」題辞)
ハインリヒ・ハイネ
・「
・「ロマンツェーロー」(第五三章「ハイネの妻」)
・「最後の詩集」(第五三章「ハイネの妻」)
シャルル・ピエール・ボードレール
・「悪の華」(はしがき、第五三章「ハイネの妻」)
・「祝祷」(第五三章「ハイネの妻」)
・「時計」(第五三章「ハイネの妻」)
オヴィディウス
・「恋愛術」(「愛の技術」)(第三章「愛の馬東西談」、第四五章「犬になりたや」付記第三)
・「
・「聊斎志異」」(第二六章「妻による夫の虐待」)
・「醒世姻縁伝」(第二六章「妻による夫の虐待」)
ジョナサン・スイフト
・「ガリヴァー旅行記」(第一章「夢想のドミナ」付記、第十五章「有色人種家畜観」)
カレル・チャペック
・「山椒魚戦争」(樹下節訳)(第十五章「有色人種家畜観」、第十六章「家畜化小説論」)
テオフィル・ゴーティエ
・「クレオパトラの一夜」(第五章「侯爵令嬢の愛馬」付記)
・「ミイラ物語」(第二〇章「人力車夫」)
オーギュスト・ヴィリエ・ド・リラダン
・「残酷物語」(第二章「馬上の令嬢」、第五章「侯爵令嬢の愛馬」)
ジュール・シュペルヴィエル
・「人か馬か」(第八章「転生願望と畸形願望」、附録C)
・「妻との再会」(La Femme Retrouvee)(第八章「転生願望と畸形願望」)
ヘンリー・ライダー・ハガード
・「洞窟の女王」((第三〇章「女権国家の夢想」付記第一、第四五章「犬になりたや」付記第三)
ソーン・スミス(Thorne Smith)
・「迷える子羊」(The Stray Lamb)(第八章「転生願望と畸形願望」、第四五章「犬になりたや」付記第三)
E.D.(Edmund Dumoulin)
・「ロシア踊り子の回想」M醇Pmoires d'une Danseuse Russe(第六章「生きた玩具としての人間馬」、第四四章「ピカチズムと舌の役割」)
L.ゴーテ(Gothe)
・「鞭打つ女たち」(Die Geisslerinnen)(第七章「人間馬による競馬」、第十六章「家畜化小説論」付記)
・「鞭令嬢」(Fraulein Peitsche)(第一九章「輓奴車競争」)
リヒャルト・フォン・クラフト=エビング
・「病的性心理」Psychopathia Sexualis(第一章「夢想のドミナ」、第十章「ある夢想家の哀願」、第二八章「性的隷属の王侯たち」、第四〇章「人間ポット」)
アルベルト・モル
・「病的性心理」補訂(第一章「夢想のドミナ」、第二〇章「人力車夫」付記第二、第四五章「犬になりたや」)
・「性科学体系」(第一章「夢想のドミナ」付記、第七章「人間馬による競馬」)
マグヌス・ヒルシュフェルト
・「性病理学」(第三章「愛の馬東西談」、第八章「転生願望と畸形願望」、第二一章「召使願望と侍童願望」、第三五章「微視的マゾヒズム」、第四一章「人間トイレ」)
・「戦争と性」(第一三章「ブロンドの優越」、第三四章「笞刑と鞭刑」)
ハヴロック・エリス
・「性の心理」(第四〇章「人間ポット」題辞)
・「性象徴」(第四〇章「人間ポット」)
・「性の舞踏」(第四一章「人間トイレ」付記第二)
アルフレッド・キント
・「女天下」(Die Weiberherrschaft)(第五章「侯爵令嬢の愛馬」付記、第十五章「有色人種家畜観」、第二八章「性的隷属の王侯たち」、第三二章「女主人の鞭」、第三八章「漫画の効用」題辞第、付記第二)
エドゥアルト・フックス
・「女天下」(Die Weiberherrschaft)(第二〇章「人力車夫」、第二四章「昔の嬶天下」、第二八章「性的隷属の王侯たち」、第三八章「漫画の効用」付記第二)
・「性愛芸術史」(Geschichte der erotischen Kunst)(第三八章「漫画の効用」付記第一)
・「性愛図解百科」(Bilder-Lexikon der Erotik)(第三八章「漫画の効用」付記第二)
アルフレッド・キンゼイ
・「人間に於ける男性の性行為」(第三五章「微視的マゾヒズム」)
ヴィルヘルム・シュテケル
・「欲動生活および情緒生活の諸障害」(第四六章「夫を飼う決心」)
・「近代の結婚」(第四六章「夫を飼う決心」)
テオドール・ライク
・「マゾヒズムと現代人」(「性と社会におけるマゾヒズム」)(第四六章「夫を飼う決心」)
谷崎潤一郎
・「無明と愛染」(第三章「愛の馬東西談」)
・「痴人の愛」(第四章「ナオミ騎乗図」、第一四章「白人崇拝」、第五三章「ハイネの妻」)
・「饒太郎 」(第四章「ナオミ騎乗図」付記、第一四章「白人崇拝」付記、第二三章「ある派出夫会の設立案」)
・「玄奘三蔵」(第四章「ナオミ騎乗図」付記)
・「ハッサンカンの妖術」(第四章「ナオミ騎乗図」付記)
・「麒麟」(第四章「ナオミ騎乗図」付記)
・「少年」(第五章「侯爵令嬢の愛馬」、第四〇章「人間ポット」付記第一、第四四章「ピカチズムと舌の役割」)
・「武州公秘話」(第九章「生身堕畜生道」)
・「アヴェ・マリア」(第一二章「象徴としての皮膚の色」、第一四章「白人崇拝」)
・「独探」(第一三章「ブロンドの優越」、第一四章「白人崇拝」)
・「人魚の嘆き」(第一四章「白人崇拝」)
・「蓼喰ふ虫」(第一四章「白人崇拝」)
・「白狐の湯」(第一四章「白人崇拝」)
・「肉塊」(第一四章「白人崇拝」)
・「富美子の足」(第一四章「白人崇拝」付記)
・「魔術師」(第一四章「白人崇拝」付記)
・「瘋癲老人日記」(第一四章「白人崇拝」付記)
・「異端者の悲しみ」(第一四章「白人崇拝」付記)
・「細雪」(第十六章「家畜化小説論」)
・「春琴抄」(第二一章「召使願望と侍童願望」、第三二章「女主人の鞭」)
・「蘆刈」(第二一章「召使願望と侍童願望」)
・「恋を知る頃」(第二一章「召使願望と侍童願望」)
・「黒白」(第二三章「ある派出夫会の設立案」)
・「千万子抄」(第二七章「女のズボン」)
・「The Affair of Two Watches」(第四三章「対象神格化の心理」題辞)
・「少将滋幹の母」(第四三章「対象神格化の心理」付記第三)
・「乱菊物語」(第四三章「対象神格化の心理」付記第三)
・「日本におけるクリップリン事件」(第五一章「犬好きの女と猫好きの男」題辞)
・「猫と庄造と二人のをんな」(第五一章「犬好きの女と猫好きの男」題辞)
森鴎外
・「蛇」(第三四章「笞刑と鞭刑」)
・「諸国物語」(第三四章「笞刑と鞭刑」)
芥川龍之介
・「世之介の話」(第三六章「手を踏まれて」)
・「好色」(第四三章「対象神格化の心理」付記第三)
・「ワン」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
永井荷風
・「あめりか物語」(第一四章「白人崇拝」)
太宰治
・「御伽草子」(第一章「夢想のドミナ」付記)
・「男女同権」(第二六章「妻による夫の虐待」)
遠藤周作
・「アデンまで」(第一二章「象徴としての皮膚の色」)
・「白い人・黄色い人」(第一二章「象徴としての皮膚の色」)
・「月光のドミナ」(第一二章「象徴としての皮膚の色」、第一四章「白人崇拝」付記)
・「女王」(第一二章「象徴としての皮膚の色」)
・「有色人種と白色人種」(第一二章「象徴としての皮膚の色」)
江戸川乱歩
・「江川蘭子」(第三章「愛の馬東西談」付記)
・「猟奇の果」(第四章「ナオミ騎乗図」)
・「影男」(第四章「ナオミ騎乗図」)
菊池寛
・「真珠婦人」(第二章「馬上の令嬢」)
・「火花」(第二章「馬上の令嬢」)
斎藤茂吉
・「赤光」(第八章「転生願望と畸形願望」)
・「滞欧随筆」(「蕨」)(第一二章「象徴としての皮膚の色」)
佐藤春夫
・「のんしやらん記録」(第二一章「召使願望と侍童願望」)
丹羽文雄
・「恋文」(第一八章「ある植民地的風景」)
・「藤代大佐」(第二六章「妻による夫の虐待」)
夢野久作
・「ドグラ・マグラ」(第五二章「夫を飼う」付記第一)
・「あやかしの鼓」(第五二章「夫を飼う」付記第一)
船橋聖一
・「破れた花詩集」(第二一章「召使願望と侍童願望」)
・「雪夫人絵図」(第二一章「召使願望と侍童願望」)
田村泰次郎
・「女の復讐」(第二五章「妻による夫の虐待」付記第二)
・「現代詩」(第二六章「妻による夫の虐待」付記第二)
吉屋信子
・「双鏡」(第二章「馬上の令嬢」付記)
・「蝶」(第二章「馬上の令嬢」付記)
・「お嬢さん」(第二章「馬上の令嬢」付記)
・「日本人クラブ」(第二章「馬上の令嬢」付記)
野村胡堂
・「笑う悪魔」(第四章「ナオミ騎乗図」付記)
・「美男狩」(第五章「侯爵令嬢の愛馬」付記)
香山滋
・「深海魚」(第八章「転生願望と畸形願望」)
・「ナナ夫人」(第八章「転生願望と畸形願望」)
岸田國士
・「鞭を鳴らす女」(第二章「馬上の令嬢」)
・「日本人畸形説」(第一一章「西洋人への劣等感」)
・「道遠からん」(第二五章「エプロン亭主」付記第二)
三橋一夫
・「サカサマ天国」(第二五章「エプロン亭主」)
・「あべこべ夫婦」(第二五章「エプロン亭主」)
・「足袋」(第二五章「エプロン亭主」)
小野佐世男
・「男の一生」(第三八章「漫画の効用」)
・「百年後の世界」(第三八章「漫画の効用」)
天野哲夫
・「ゴルドンの記憶」《裏窓》(阿麻哲郎名義)(第八章「転生願望と畸形願望」付記)
・「ルビアナ国紀行」(阿麻哲郎名義)(第八章「転生願望と畸形願望」付記)
・「いざない」《奇譚クラブ》(黒田史郎名義)(第九章「生身堕畜生道」、第二三章「ある派出夫会の設立案」)
・「女中になりたい男の話」《裏窓》(黒田史郎名義)(第二三章「ある派出夫会の設立案」)
・「畜獣デリムソン」《裏窓》(阿麻哲郎名義)(第三〇章「女権国家の夢想」付記第二)
・「禁じられた女性崇拝」(第三六章「手を踏まれて」付記第一)
・「女帝ジャクリーンの降臨」(第四七章「犬のくせに……」付記第一)
森下高茂
・「乗馬服と長靴と鞭」(森本愛造名義)《奇譚クラブ》(第二章「馬上の令嬢」)
・「或る被虐性愛者の手記」(天泥盛栄名義)《奇譚クラブ》(第二章「馬上の令嬢」、第八章「転生願望と畸形願望」、第一四章「白人崇拝」、第二七章「女のズボン」)
・「マゾレター」(「レターM」)《風俗奇譚》(第一四章「白人崇拝」)
・「鞭について」(第三三章「むちのいろいろ」付記第四)
・「残虐なる女性達画集」(森本愛造名義)《奇譚クラブ》(第三八章「漫画の効用」付記第一)
白野勝利
・「現代の魔女」(第五二章「夫を飼う」付記第二)
鞍良人
・「馬化白書」《奇譚クラブ》(第二章「馬上の令嬢」)
・「続・跨る女性たち」《奇譚クラブ》(第三章「愛の馬東西談」)
真砂十四郎
・「二百字賛歌」《奇譚クラブ》(第三章「愛の馬東西談」付記、第二五章「妻による夫の虐待」、第四〇章「人間ポット」)
・「ヴィナスの重石」《奇譚クラブ》(第十六章「家畜化小説論」、第四九章「私は犬です」)
とやま・かずひこ
・「マニアの記録」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」)
・「かずひこのノート」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」、第三五章「微視的マゾヒズム」付記)
・「愛好者の記録」《奇譚クラブ》(第九章「生身堕畜生道」、第四一章「人間トイレ」)
佐野寿
・「アマゾネス考」《奇譚クラブ》(第二章「馬上の令嬢」)
・「女神アイリーンとR氏」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」付記)
田沼醜男
・「同じ人種ではなかった」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」)
・「悪魔の唇」《裏窓》(第一四章「白人崇拝」付記)
・「マゾヒズム天国」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」付記)
・「派出夫会経理」《奇譚クラブ》(第二三章「ある派出夫会の設立案」)
・「タツノオトシゴ考」《奇譚クラブ》(第三〇章「女権国家の夢想」付記第一)
・「タイム・マシーン」《奇譚クラブ》(第四五章「犬になりたや」付記第四)
・「ライレーン」《奇譚クラブ》(第四五章「犬になりたや」付記第四)
三原寛
・「ラムール・デスクラヴァージュ」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」付記)
・「シチュエーション・ウォンテッド」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」付記)
・「ソバイの記録」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」付記)
河津安春
・「
・「国際秘密結社ISSSL」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」付記、第四八章「女司令官の靴を舐めて……」付記第一)
土路草一
・「壊滅の前夜」《奇譚クラブ》(第十六章「家畜化小説論」)
・「魔教圏No.8」《奇譚クラブ》(第十六章「家畜化小説論」)
真木不二夫
・「黄色オラミ誕生」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」、第三〇章「女権国家の夢想」付記第二)
・「美しき悪魔の哄笑」《奇譚クラブ》(第四〇章「人間ポット」)
夏木青嵐
・「鞭うつ伯爵夫人」《風俗奇譚》(第一四章「白人崇拝」付記)
・「黄色奴隷」(第一四章「白人崇拝」付記)
・「女権国家の軍隊」《SMファンタジア》(第一四章「白人崇拝」付記、第四一章「人間トイレ」付記第四)
・「美しき暴君」(第四〇章「人間ポット」付記第二)
南村蘭
・「ピララの敗北」《裏窓》(第一四章「白人崇拝」付記)
・「黄色い肌の犬」《裏窓》(第九章「生身堕畜生道」、第一四章「白人崇拝」付記)
・「白い肌と黄色い画家」《裏窓》(第一四章「白人崇拝」付記)
原田沼三
・「アマゾンの人間馬」《問題SM小説》(第七章「人間馬による競馬」付記、第十六章「家畜化小説論」)
芳野眉美
・「孤独なfantasy」(第四一章「人間トイレ」、第四三章「対象神格化の心理」)
鬼山絢策
・「らぶ・すれいぶ」《奇譚クラブ》(第四四章「ピカチズムと舌の役割」、第四九章「私は犬です」)
・「アマゾンの牝豹」《奇譚クラブ》(第四四章「ピカチズムと舌の役割」付記第二)
・「地獄の狂楽」(「甘美なる狂宴」)《あまとりあ》(第四四章「ピカチズムと舌の役割」付記第二)
杉本真一
・「犬の生態」《奇譚クラブ》(第二三章「ある派出夫会の設立案」、第四四章「ピカチズムと舌の役割」付記第三、第四九章「私は犬です」)
・千坂朝彦「ツァラツトラ哀傷」(はしがき)
・山田正実「サド女性の覆面」《奇譚クラブ》(第一章「夢想のドミナ」付記)
・諸岡堅雄「当代女武勇列伝」《奇譚クラブ》(第一章「夢想のドミナ」付記)
・「竹取物語」(第一章「夢想のドミナ」付記)
・「
・N.O.ブラウン「エロスとタナトス」(第一章「夢想のドミナ」付記)
・フランス・ノリ「十六歳」(第二章「馬上の令嬢」)
・乗杉貴代子「ダイアナ夫人」《奇譚クラブ》(第二章「馬上の令嬢」)
・山本節夫「私のヰタ・セクシュアリス」《奇譚クラブ》(第二章「馬上の令嬢」)
・馬場喬次「女性乗馬考」《奇譚クラブ》(第二章「馬上の令嬢」)
・映画「双頭の鷲」(第二章「馬上の令嬢」第四三章、「対象神格化の心理」付記第二)
・映画「プリンセス・シシー」(第二章「馬上の令嬢」)
・「木蘭詩」(第二章「馬上の令嬢」)
・文鉄仙「児女英雄伝」(第二章「馬上の令嬢」)
・笹川臨風「伝奇日女若」(第二章「馬上の令嬢」)
・映画「キャサリン大帝」(第二章「馬上の令嬢」)
・マルセル・プレヴォー「半処女」(第二章「馬上の令嬢」)
・プロスペル・メリメ「コロンバ」(第二章「馬上の令嬢」)
・吉井勇(第二章「馬上の令嬢」)
・加藤武雄「珊瑚の鞭」(第二章「馬上の令嬢」)
・田代俊夫「続・みみずのたわごと」《奇譚クラブ》(第二章「馬上の令嬢」付記)
・瀬戸内晴美(寂聴)「火の蛇」(第二章「馬上の令嬢」付記)
・三島由紀夫「夜会服」(第二章「馬上の令嬢」付記)
・ホメロス「イーリアス」(第三章「愛の馬東西談」)
・ヴァン・デ・ヴェル「完全な婚姻」騎乗位の章(第三章「愛の馬東西談」)
・フォルベルグ「性愛の諸相」(第三章「愛の馬東西談」)
・「パンチャタントラ」(古代インドの説話集)(第三章「愛の馬東西談」)
・「ヴィーナスの車」Der Venuswagen(第三章「愛の馬東西談」)
・「ゲスタ・ロマノルム」(中世欧州の説話集)(第三章「愛の馬東西談」)
・オットー・ゴールドマン「サディズム論」(第三章「愛の馬東西談」)
・シドロヴィッツ編「悪習の風俗史」(第三章「愛の馬東西談」)
・小林秀雄「谷崎潤一郎論」(第四章「ナオミ騎乗図」)
・金丸壮吉「女の足の魅力」《奇譚クラブ》(第四章「ナオミ騎乗図」付記)
・映画「痴人の愛」(1949年、1960年、1967年)(第四章「ナオミ騎乗図」付記、第四三章「対象神格化の心理」付記第二)
・ジャコモ・カサノヴァ「カサノヴァ回想録」(「我が生涯の物語」)(第五章「侯爵令嬢の愛馬」)
・渡辺一夫「戦国明暗二妃」(第五章「侯爵令嬢の愛馬」付記)
・シューバルト「吸血魔女」Vampir(第五章「侯爵令嬢の愛馬」付記、第六章「生きた玩具としての人間馬」付記)
・ハインリヒ・フォン・クライスト「ペンテジレーア」(第五章「侯爵令嬢の愛馬」付記)
・浜尾四郎「マダムの殺人」(第五章「侯爵令嬢の愛馬」付記)
・「二本脚の馬」(第六章「生きた玩具としての人間馬」)
・河上肇「自伝」(第六章「生きた玩具としての人間馬」付記)
・レフ・トルストイ「戦争と平和」(第六章「生きた玩具としての人間馬」付記)
・ベルナール・ヴァロネス「Le Club des Monteurs Humaines」(人間乗用畜クラブ)(第六章「生きた玩具としての人間馬」付記)
・ドン・ブランナス・アレラ「奴隷祭」(第七章「人間馬による競馬」付記)
・映画「無頼の谷」(1952年、米)(第七章「人間馬による競馬」付記)
・泉鏡花「高野聖」(第八章「転生願望と畸形願望」)
・日夏由岐夫「まにあ地獄」《風俗草紙》(第八章「転生願望と畸形願望」)
・ウィリアム・シェイクスピア「真夏の夜の夢」(第九章「生身堕畜生道」)
・一休禅師「狂雲集」(第九章「生身堕畜生道」)
・河真田子路「私のマゾヒズム断片」《奇譚クラブ》(第九章「生身堕畜生道」)
・パウル・エングリッシュ「好色文学史」(「世界艶笑芸術」)(第十章「ある夢想家の哀願」)
・高村光太郎「根付の国」(第一一章「西洋人への劣等感」)
・厨川白村「象牙の塔を出て」(第一一章「西洋人への劣等感」)
・加藤周一「ある旅行者の思想」(第一一章「西洋人への劣等感」)
・森有正「城門のかたわらにて」(第一一章「西洋人への劣等感」)
・我妻洋・ 米山俊直「偏見の構造」(第一一章「西洋人への劣等感」、第一二章「象徴としての皮膚の色」)
・戸伏太平「洋娼史談」(第一一章「西洋人への劣等感」)
・河崎一郎「Japan Unmasked」(「素顔の日本」)(第一一章「西洋人への劣等感」)
・高橋敷「みにくい日本人」(第一一章「西洋人への劣等感」)
・ハインリヒ・ハイネ「白象」(第一三章「ブロンドの優越」)
・ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ「肉体美」(第一三章「ブロンドの優越」)
・エルンスト・クレッチマー「天才の心理学」(第一三章「ブロンドの優越」)
・アルフレート・ローゼンベルク「二〇世紀の神話」(第一三章「ブロンドの優越」)
・アリオスト「狂乱のオルランド」(第一三章「ブロンドの優越」)
・クルツィオ・マラパルテ「皮」(第一三章「ブロンドの優越」)
・H.F.ペータース「ルー・サロメ 愛と生涯」(第一三章「ブロンドの優越」)
・シュタッケルベルク「バルト地方の闘争下の生活」(第一三章「ブロンドの優越」)
・「フィガロの結婚」(第一三章「ブロンドの優越」)
・会田雄次「アーロン収容所」(第一三章「ブロンドの優越」)
・中村光夫「谷崎潤一郎論」(第一四章「白人崇拝」)
・角田平八「あなたの鞭の下に」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」)
・麻生和夫「第七天国」《奇譚クラブ》(第一四章「白人崇拝」)
・野口武彦「谷崎潤一郎論」(第一四章「白人崇拝」付記)
・梶山季之「男を飼う」(第一四章「白人崇拝」付記)
・市川晴子「欧米の隅々」(第十五章「有色人種家畜観」)
・デイヴィッド・ガーネット「動物園に入った男」(第十五章「有色人種家畜観」)
・リヒヤルト・ヒュルゼンベック「この目で見たアフリカ」(第十五章「有色人種家畜観」)
・エーリヒ・フロム「自由からの逃走」(第十六章「家畜化小説論」)
・Robert Abernathy「ピラミッド」(第十六章「家畜化小説論」付記)
・Finn O'Donnevan「アンクル・トムの星」(第十六章「家畜化小説論」付記)
・ジョン・ハワード・グリフィン「私のように黒い夜」(第一七章「混血への妄想」)
・久米正雄「日本米州論」(第一七章「混血への妄想」)
・志賀直哉「国語問題」(第一七章「混血への妄想」)
・カール・ハインリッヒ・シュトラッツ「女体の種族美」(第一七章「混血への妄想」)
・ビルリンガー「残酷な女性」(第一九章「輓奴車競争」)
・ハリエット・ビーチャー・ストウ「アンクル・トムの小屋」(第一九章「輓奴車競争」、第三二章「女主人の鞭」)
・ポール・ヴァレリー「楽劇セミラミス」(第二〇章「人力車夫」)
・クリストファー・マーロウ「
・ハロルド・ラム「Tamerlane」(第二〇章「人力車夫」)
・マルク・ラジ・アナンド「
・映画「無法松の一生」(第二〇章「人力車夫」付記第一)
・フョードル・ソログープ「死の勝利」(第二一章「召使願望と侍童願望」)
・坂口安吾「ジロリの女」(第二一章「召使願望と侍童願望」)
・映画「北ホテル」(1949年、フランス)(第二一章「召使願望と侍童願望」)
・谷崎松子「倚松庵の夢」(第二一章「召使願望と侍童願望」)
・ジュリアン・ロビンソン「
・犬養道子「世界放浪記」(第二二章「奴隷志願」付記第二)
・佐々木邦「昭和派出夫会」(第二三章「ある派出夫会の設立案」)
・秋好馨「ますらお派出夫会」(第二三章「ある派出夫会の設立案」、第三八章「漫画の効用」)
・紅隷児「白き館の女王たち」《風俗奇譚》(第二三章「ある派出夫会の設立案」)
・アントン・チェーホフ「煙草の害について」(第二四章「昔の嬶天下」)
・錘坊「幸福なる隷属の告白」《奇譚クラブ》(第二四章「昔の嬶天下」)
・榎本利子「悪癖」《奇譚クラブ》(第二四章「昔の嬶天下」、第四〇章「人間ポット」)
・ハンス・ザックス「ひどい煙」(第二四章「昔の嬶天下」)
・幸田露伴「付焼刃」(第二四章「昔の嬶天下」付記第二)
・モリエール「ジョルジュ・ダンダン」(第二四章「昔の嬶天下」付記第四)
・萩原朔太郎「虚妄の正義」(第二五章「エプロン亭主」)
・ヘレン・ガーリー・ブラウン「Sex and the Single Girl」(第二五章「エプロン亭主」)
・「万葉集」(第二五章「エプロン亭主」)
・三宅艶子「男性飼育法」(第二五章「エプロン亭主」付記第二)
・フランソワーズ・サガン「一年ののち」(第二六章「妻による夫の虐待」)
・「バートン版 千夜一夜物語」(第二六章「妻による夫の虐待」、第四八章「女司令官の靴を舐めて……」題辞)
・ハンス・ラウ「人類錯迷史論」(第二六章「妻による夫の虐待」付記第一)
・ドラマ「奥様は魔女」(第二六章「妻による夫の虐待」追記)
・「国語」(中国史書)(第二六章「妻による夫の虐待」付記第一)
・花登筺「売らいでか」(第二六章「妻による夫の虐待」付記第三)
・古谷三敏「ダメおやじ」(第二六章「妻による夫の虐待」付記第四)
・稲垣足穂「A感覚とV感覚」(第二七章「女のズボン」)
・村上信彦「女について・反女性論的考察」「歪められた性」「服装の歴史」(第二七章「女のズボン」)
・エベルハルト「婦人解放とその性的基礎」(第二七章「女のズボン」、第二九章「男性の衰微」)
・エリック・ギル「衣装論」(第二七章「女のズボン」)
・花森安治「スカートへの郷愁について」(第二七章「女のズボン」)
・映画「唇からナイフ」(1966年、米)(第二七章「女のズボン」)
・出久信男「捕虜の洗礼」《奇譚クラブ》(第二七章「女のズボン」)
・映画「王家の谷」(1954年、米)(第二七章「女のズボン」)
・ヨアヒム・パウリ「
・劉向「古列女伝」(第二七章「女のズボン」)
・柳井敬子「
・「晏子春秋」(第二七章「女のズボン」付記第四)
・ロバート・グレイヴス「暗黒の女神」(第二七章「女のズボン」付記第七)
・ジョン・キーツ「無慈悲の美姫」(La Belle Dame Sans Merci)(第二八章「性的隷属の王侯たち」)
・ピエール・ルイス「女と人形」(第二八章「性的隷属の王侯たち」)
・黒淵嬰一「ペリサリウスとアントニナ」《奇譚クラブ》(第二八章「性的隷属の王侯たち」)
・映画「歴史は女で作られる」(1955年、仏・西独)(第二八章「性的隷属の王侯たち」)
・火野葦平「洗い髪の女」(第二八章「性的隷属の王侯たち」)
・ジャン・コクトー「アメリカ人への手紙」(第二九章「男性の衰微」)
・マルグリット「
・アンリ・ダンフルヴィル「性の難破」(第二九章「男性の衰微」)
・ブランドン「ジョイ・キラー」(第二九章「男性の衰微」付記)
・アリストパネス「女の議会」(第三〇章「女権国家の夢想」)
・「図像鏡花縁」(第三〇章「女権国家の夢想」)
・エルナ・ノイマン「
・アシュレー・モンタギュウ「女性、この優れたるもの」(第三〇章「女権国家の夢想」)
・モーリス・テスカ「女性に関する十五章」(第三〇章「女権国家の夢想」)
・マイケル・リー「秘密クラブの実態」(The Velet Underground)(第三〇章「女権国家の夢想」)
・ジュディス・メリル「生き続けるのは宇宙船」(Survival Ship)(第三〇章「女権国家の夢想」)
・ウィリアムソン「堕ちた男」(MAN Down)(第三〇章「女権国家の夢想」)
・アンソニー「眠り玉」(The Hypnoglyph)(第三〇章「女権国家の夢想」)
・E・E・スミス「第二段階レンズマン」(Second Stage Lensman)(第三〇章「女権国家の夢想」)
・サクス・ローマー「Sumuruシリーズ」(第三〇章「女権国家の夢想」付記第一)
・ハクスリイ「Brave New World」(第三〇章「女権国家の夢想」付記第二)
・「古今集」(第二巻扉)
・「今昔物語」(第三二章「女主人の鞭」)
・川口松太郎「月夜鴉」(第三二章「女主人の鞭」)
・「旧約聖書」(第三三章「むちのいろいろ」)
・オスカア・ワイゼ「ドイツ風土記」第二版(第三三章「むちのいろいろ」)
・アレクサンダー・レイク「アフリカの猛獣」(第三三章「むちのいろいろ」付記第五)
・アントン・チェーホフ「サガレン島」(第三四章「笞刑と鞭刑」)
・徳齢女史「西太后に侍して」(第三四章「笞刑と鞭刑」)
・フレデリック・フォーサイス「オデッサ・ファイル」(第三四章「笞刑と鞭刑」付記第二)
・西田幾多郎「善の研究」(第三六章「手を踏まれて」題辞)
・魔像保「色惚けのページ」《奇譚クラブ》(第三六章「手を踏まれて」付記第一)
・ジークムント・フロイト「詩人の空想」(第三七章「鼠入りハイヒール」題辞)
・ヴィルヘルム・ハウフ「鼻の小人」(「アレッサンドリア物語」収録)(第三七章「鼠入りハイヒール」)
・清水崑「かっぱ天国」(第三八章「漫画の効用」)
・杉浦幸雄「アトミックのおぼん」(第三八章「漫画の効用」)
・加藤芳郎「あほだら漫画集」「ペンペン物語」(第三八章「漫画の効用」)
・荻原堅次「太郎冠者物語」(第三八章「漫画の効用」)
・横山隆一「ミスター丸楠」(第三八章「漫画の効用」)
・西川辰美「弱木亭主」「最高殊勲夫人」(第三八章「漫画の効用」)
・小島功「仙人部落」(第三八章「漫画の効用」)
・レオ・シドロヴィッツ「風俗史」「女性万能」(第三八章「漫画の効用」付記第二)
・クルト・モレック「近代文化風俗史」(第三八章「漫画の効用」付記第二)
・石森章太郎「009ノ1」(第三八章「漫画の効用」付記第三)
・マテル・ドロロザ「受苦の園」(第三九章「マゾヒストの詩」題辞)
・オクターヴ・ミルボー「刑場」(第三九章「マゾヒストの詩」付記第一)
・コルヴィン「
・ルネ・エチアンブル「肉体の紋章」(第三九章「マゾヒストの詩」付記第三)
・富岡陽夫「まぞひすと・さじすと」《奇譚クラブ》(第四〇章「人間ポット」)
・桜井英一「女看守と囚人」《奇譚クラブ》(第四〇章「人間ポット」)
・沢井和雄「奈落の欲情」《奇譚クラブ》(第四〇章「人間ポット」)
・馬族保「牛乳風呂の饗宴」《奇譚クラブ》(第四〇章「人間ポット」)
・馬場好男「マゾヒズム百景」《奇譚クラブ》(第四〇章「人間ポット」、第四一章「人間トイレ」)
・高木伸夫「魔の味わい」《奇譚クラブ》(第四〇章「人間ポット」)
・「ジョジュアヌとその奴隷」Josiane et Esclave(第四〇章「人間ポット」、第四四章「ピカチズムと舌の役割」)
・佐津真帆「若い女の足に狂う」《奇譚クラブ》(第四〇章「人間ポット」)
・二宮忠一「人間便所の妄想狂」《奇譚クラブ》(第四〇章「人間ポット」、第四一章「人間トイレ」)
・大下宇陀児「恐るべき教師」(第四〇章「人間ポット」)
・ファンツマー「性欲の愛情」(第四〇章「人間ポット」付記第二)
・金子光晴「水勢」(第四一章「人間トイレ」)
・マルキ・ド・サド「ソドムの百二十日」(第四一章「人間トイレ」)
・高倉テル「ミソ・クソその他」(第四一章「人間トイレ」)
・李家正文「厠風土記」(第四一章「人間トイレ」)
・「鞭の下の浄福」Unter der Peitsche Seling(第四一章「人間トイレ」付記第一)
・ジョン・グレゴリー・バーク「汚物の民俗」(第四一章「人間トイレ」付記第四)
・ラルフ・ウォーレス「服従学校」School of Obedience(第四二章「女神を求めて」付記)
・「
・沢井和雄「奈落の欲情」《奇譚クラブ》(第四三章「対象神格化の心理」)
・二宮忠一「人間便器の妄想狂」《奇譚クラブ》(第四三章「対象神格化の心理」)
・林髞「血液記」《奇譚クラブ》(第四三章「対象神格化の心理」)
・映画「ローマの休日」(1953年、米)(第四三章「対象神格化の心理」付記第二)
・映画「クレオパトラ」(1963年、米)(第四三章「対象神格化の心理」付記第二)
・映画「嘆きの天使」(1930年、米)(第四三章「対象神格化の心理」付記第二)
・「宇治拾遺」巻三(第四三章「対象神格化の心理」付記第三)
・「カーマ・スートラ」(第四四章「ピカチズムと舌の役割」)
・高橋鐵「紅閨秘厘」(第四四章「ピカチズムと舌の役割」)
・「末摘花」(第四四章「ピカチズムと舌の役割」)
・プチット「四億の民の女支配者」(第四四章「ピカチズムと舌の役割」)
・芭蕉「嵯峨日記」(第四五章「犬になりたや」題辞)
・西脇順三郎「恋歌」(第四五章「犬になりたや」題辞)
・井上靖「あした来る人」(第四五章「犬になりたや」)
・映画「わんわん物語」(第四五章「犬になりたや」)
・「カター・サリット・サーガラ」(印度伝説集)(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・マルチアリス「エピグラム」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・C・オトウェイ「ヴェニス落ちず」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・W・H・リール「物言わぬ議員」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・フランツ・カフカ「ある犬の回想」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・トーマス・マン「主人と犬」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・ジェームス・マシュー・ バリー「ピーターパン」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・朝山蜻一「僕はちんころ」(第四五章「犬になりたや」付記第三第四七章「犬のくせに……」付記第一)
・小野洋生「しっぽ」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・三上於兎吉「獣心」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・林房雄「白夫人の妖術」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・中勘助「犬」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・ユーリエフ「四つ足になった金融王」(第四五章「犬になりたや」付記第三)
・ギ・ド・モーパッサン「イヴェット」(第四五章「犬になりたや」付記第四)
・ウォルター・ベンジャミン「支配的女性の性的魅力」(The Erotic Attraction of Dominating Female)(第四五章「犬になりたや」付記第五)
・「パーシャンダーサ」(Parshandatha;ヒンズー・ドラヴィダ神話)(第四五章「犬になりたや」付記第五)
・デヴィ・スカルノ「パリからの手紙」(第四五章「犬になりたや」付記第六)
・ヴルフェン「性犯罪人としての女」(第四六章「夫を飼う決心」題辞)
・ヴィルヌーヴ夫人「
・ジャン・デュトゥール「犬の頭」(第四七章「犬のくせに……」)
・石川淳「夷斎俚言」(第四七章「犬のくせに……」)
・宮内二三夫「畜類人間」《風俗草紙》(第四七章「犬のくせに……」付記第一)
・畑正憲「人と犬」(第四七章「犬のくせに……」付記第一)
・カ・ツェトニク「痛ましきダニエラ」(第四八章「女司令官の靴を舐めて……」題辞)
・李賀「感諷」(第四八章「女司令官の靴を舐めて……」)
・「世界神話伝説大系ペルシャ篇」(第四八章「女司令官の靴を舐めて……」付記第一)
・メルツバッハ「性感の異常現象」(第四九章「私は犬です」)
・アンナ・ブランチ「犬に寄す」(第五〇章「犬と猫」題辞)
・モンテーニュ「随想録」(第五〇章「犬と猫」題辞)
・サキ「猫の偉業」(第五〇章「犬と猫」付記)
・バウチャー「
・マルテルリンク「青い鳥」(第五〇章「犬と猫」付記)
・ハインライン「自由未来」(第五〇章「犬と猫」付記)
・A・ビアス「悪魔の辞典」(第五〇章「犬と猫」付記)
・ルトガース「性生活」(第五一章「犬好きの女と猫好きの男」)
・ヤコブセン「霧の中の射撃」(第五二章「夫を飼う」題辞)
・エマニュエル・フェオ「リズ・わが怖るべき女主人」(「リズ・テーラーの私生活」)(第五二章「夫を飼う」題辞)
・木場草介「犬の
・福島正実「転位」(「SFの夜」中)(第五二章「夫を飼う」付記第二)
・ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)「東西文学評論」(第五三章「ハイネの妻」)
・阿部良雄「おお
スクビズム総論
「スクビズム」について、まとめておきます。
スクビズムとは

マゾヒズムとは、性愛の対象である女性の美しさを讃え、その他のあらゆる価値、とりわけ男性としてプライド、人間としての尊厳を女性美への憧れの前に跪かせ、踏み躙り陵辱することに快楽を求める異常性愛であると私は考えています。
具体的には、対象女性に跪いたり、足や靴を舐める。
あるいは身に着けていたもの、排泄したものを口にする。下僕や奴隷となって命令に従い、働く。
はたまた犬、馬、家具といった人間以下の物に変身し、対象女性に使用される。多種多様なこれらの願望に共通するのは、対象女性を上位に、自らを下位に置こうと志向している点です。
そもそも、「優位」を「上位」、「劣位」を「下位」とも言うように、優劣を物理的位置関係を意味する「上下」という言葉を使って表現するのはなぜでしょうか。
どうも人類一般に、優越者は「上」に、劣等者は「下」にあるべきものという共通した心理があるようです。
これを前提とすれば、対象女性が(その美しさゆえに)自己に優越していることを表現発露することは、様々な意味で対象女性を「上」に、自己を「下」に置こうとする衝動と同義、ということになります。
これは人間の自然な心理に任せたマゾヒズムの基本衝動です。
沼正三は、『ある夢想家の手帖から』において、この「下への衝動」を総称して「スクビズム(succubism)」と呼び、この概念をもって、正統マゾヒズムの諸相(三者関係は除く)をすべて説明できるとまで言い切っています。
(命名者は精神医学者のヒルシェフェルト。語源はラテン語の「succuba」=「下に寝る」より。「サキュバス」「スキューバ・ダイビング」と同じ語源。)
スクビズムの五類型
沼は、『手帖』第一三三章「スクビズム」で、スクビズムを次のような五類型に分けて説明しています。
第一類型 肉体的下位
対象女性の体を自らの体で下から支持するという願望。
第二類型 肉体的下部
足への執着。
第三類型 観念的下部A
女性器や肛門への奉仕。
第四類型 観念的下部B
分泌物、排泄物への執着。
第五類型 観念的下位
人間と人間との関係としての下位、あるいは文化的・知能的に劣った存在への志向。
各類型を簡単に説明します。
第一類型 肉体的下位

対象女性が上になり、自らが下になる物理的な位置関係、体勢を望むもの。
背に腰掛けられる、頭を踏まれる(第二類型との複合)といった願望が典型的なものです。
第二類型 肉体的下部

人は、身体の各部位について、尊卑を意識しています。
例えば、食べ物を足で扱ったり尻の下に敷いたりすることを避けるのは、口や手よりも足や尻が穢れたものだという意識があるからです。
基本的に、身体の上部は尊い、下部は卑しいという意識があります。
なかでも人間の肉体の中で最も下部に位置し、最も卑しいと認識されている部位が、足です。
対象女性の肉体的最下部である足に執着し、口、顔面、頭部といった自己の身体の上部、あるいは尊厳の象徴である男性器を接触させ、互いの身体の尊卑の「落差」を実感するという願望が第二類型です。
能動的に発露すれば舐める、キスするといった奉仕、受動的に発露すれば蹴られたい、踏まれたいといった願望になります。
第三類型 観念的下部A

足と並んで、人間の肉体の中で卑しいと認識されているのは性器と排泄器官を備える股間部です。
対象女性の股間部に執着し、口、顔面といった自己の身体の上部を接触させ、互いの身体の尊卑の「落差」を実感するという願望が第二類型です。
能動的に発露すれば舐める、キスするといった奉仕(クンニリングス)、受動的に発露すれば顔面騎乗願望(第一類型との複合)になります。
第四類型 観念的下部B

汚物愛好(コプログラニア、ピカチズム)。
汗、唾液、鼻汁、糞尿などの分泌物・排泄物は、分泌・排泄される直前までは身体の一部ですから、身体の延長として捉えることができますが、身体に不要な残り滓ですし不衛生ですから、尊卑の意識としては身体のどの部分よりも卑しいものとなります。
マゾヒストとしてはこれを尊ぶことで、対象の身体は自らの身体とはるかに隔絶して尊いものと意識することができます。
このため、汚物愛好は、対象神格化、貴婦人崇拝、
また、対象の足や股間部はいくら尊んでも舐めるまでです。
分泌物・排泄物は口にして、自らの身体に取り込むことができます。
対象の身体の残り滓が自らの身体を造っているという意識は、対象と自身の身体を隔絶をさせたまま結合させるというマゾヒストの矛盾した願望を達成してくれます。
なお、下着や履物への執着も、この類型に含みます。
第五類型 観念的下位

観念的・抽象的な下位概念。
人間と人間との関係としての階級的下位、あるいは文化的・知能的に劣った存在への志向です。
「ドレイになりたい…」
マゾヒストであれば誰でも通ったであろう入門的願望、
畜下願望、
変身願望の五類型
『手帖』第二一章「召使い願望と侍童願望」では、性科学者ヒルシェフェルトの説として、マゾヒズトが「何になりたいと欲するか」について、五類型が紹介されています。
この「変身願望」の五類型は、「成熟した社会人たる男性」がそれぞれ、「地位」、「年齢」、「男性」、「人間性」、「生命」といった属性を捨て去り、今とは違った存在になることを望む願望です。
(イ)セルヴェリズム(奴隷願望)→地位の剥奪
(ロ)小児化倒錯→年齢の剥奪
(ハ)変装(女性化)倒錯→男性の剥奪
(ニ)畜化倒錯→人間性の剥奪
(ホ)物化倒錯→生命の剥奪
いずれも、崇拝する女性よりも劣位でありたいという「下への衝動」の発露と言えますので、スクビズムの五類型のうち、第五類型「観念的下位」をさらに分類したものといえそうです。
一方、少し視点を変えると、これらの変身願望は、「成熟した社会人たる男性」として生きていくことに疲れた心が望んだ、現実逃避願望とも言えそうです。
各類型を簡単に説明します。
(イ)セルヴェリズム(奴隷願望)
自由人は、その自由と引き換えに、自分の行動をを自分で決める重荷を課せられています。この「決断」する重圧から逃れたくなった者は、自らの意思ではなく、頭上から下される「命令」にのみ従って生きる奴隷を志向します。
対象女性に所有される奴隷となり、跪き、命令され、奉仕することを望む非常にポピュラーな願望です。
(ロ)小児化倒錯
欲望を抑えて秩序に従うことに嫌気が差した者は、欲望のままに生きていた子供に戻ることを志向します。
対象女性に子ども扱いされることを望む願望です。
「しつけ」「お仕置き」といった懲罰願望と容易に結びつきます。
(ハ)変装(女性化)倒錯
男性としての「強さ」を求められることに耐えられなくなった者は、むしろ(特に前時代においては)「か弱さ」を売りにできる女性に転じることを志向します。
対象女性と自己の性を倒錯させ、女性として扱われることを望む願望です。
自ら女装するだけではあきたらず、対象女性に男装を求める場合もあります。
自らの口腔や肛門を女性器に見立て、対象女性に棒状の擬似男性器で陵辱される去勢願望と、容易に結びつきます。
(ニ)畜化倒錯
人間としての尊厳すら疎ましくなった者は畜化(家畜への変身)を志向します。
家畜・ペットとして対象女性に飼育される願望です。
「犬派」「馬派」という言葉があるくらい、マゾヒストにはポピュラーな願望です。
「人間以下」の存在に変身するという意味で、観念的スクビズムの極地と言えます。
「対象神格化」と「畜化倒錯」は相似形です。
対象と自己との絶望的に絶対的な隔絶を志向するものですが、「対象神格化」が自己を人間のままに対象女性を女神とするのに対し、「畜化倒錯」は対象女性を人間のままにおいて、自らが人間以下の存在になろうとするものです。
(ホ)物化倒錯
生きることさえ放棄したくなった者は、物化(家具・道具への変身)を志向します。
対象女性に「モノ」として使用・消費されるという願望です。
人間としてではなくとも、なお「愛玩される」余地が残る畜化倒錯に比べ、物化倒錯は対象から存在意義を否定される感覚が非常に強い願望です。
家具・道具の存在意義は、それのもたらす効用のみにあって、それそのものはなくなっても、代わりがあれば持ち主はなんとも思いません。
対象女性から「手段」として利用される、存在を無視・軽視される、放置されるといた「感情の一方通行」を志向する願望と容易に結びつきます。

複合的発露
具体的な願望は、これらの各類型が組み合わさって発露することもあります。
例えば、「馬になって対象女性に乗られたい」という願望は、女体を下から支えるスクビズム第一類型と、畜化願望(変身願望の(ロ))が組み合わさったものです。
「犬になりたい」という願望は、畜化願望に加え、「舐める動物」として、スクビズム第二類型(足を舐める)、第三類型(股間部を舐める)、第四類型(排泄物を舐める)と強く結びついています。
物化倒錯(変身願望の(ホ))の場合、スクビズム第一類型と結びつけば女体を支持する椅子や縁台、第四類型と結びつけば女体から分泌・排泄されたものを受ける痰壺や便器となります。足置きや絨毯となれば第一類型と第二類型、サドルとなれば第一類型と第三類型と結びついているということになりましょう。
「人間ビデ願望」というものもあります。昨今ネット上では「寝室奴隷」とも表現されています。カップルが愛し合った後、上位男性の体液がたっぷりと注がれた女性器を舐めて清めるという、トリオリストにとって究極ともいうべき願望です。これはトリオリズムとスクビズム第三類型、第四類型が結びついたものです。
最後に、スクビズムの五類型と変身願望の五類型を図にまとめてみました。
はたしてこの図で、沼のいわく「正統マゾヒズム願望の諸相」が網羅できているかについては異論がある方もいらっしゃるかと思います。
それについてはまた、別記事で論じたいと思います。
