続・マゾヒズムの階級的考察または生きづらい世の中を生き抜くために~白昼夢大作戦
なにをそんなに一生懸命に見ているんだい?
せっかくのコーヒーも飲まずに…
あの店員さんかい?
きれいだねぇ。
ハーフかな?クォーターかな?
そうか、君はさっき、私が先日書いた記事を読んだんだね。
そして、この世界の真実に気づいてしまった。
そうだよ、彼女は貴族 だ。
そして君は、蛆虫 だ。
何をしているんだい?
君は知っている。
彼女は貴族 で、君は蛆虫 だ。
貴族 と同じ空間に蛆虫 が存在しているなんてこと、許されるのかな?
いっそ彼女に殺虫剤で駆除してもらえれば、そんな自責の念に苛まれなくてすむのにね。
何をしているんだい?
君は知っている。
今すぐに彼女の足下に這っていって、床に手と額をついて、項を差し出して、存在の罪の許しを請わなければならない。
顔面をぴったりと床に密着させてね。
それがどんな結果をもたらすかなんて大した問題じゃない。
君はそうしなければならないことを知っている。
それなのにそうしないことが、どれだけ恐ろしい不敬な大罪になるか知っている。
蛆虫 が、そんな、貴族 の視界の範囲内で、そんな、ソファーに座っているなんて。
さあ、行くんだ。
何をしているんだい?
君のグラスの中の冷水が空になっていることに彼女が気づいたら、彼女は冷水を注ぎに来るかもしれない。
そのとき君に「いかがですか?」なんていって、軽くお辞儀なんかするかもしれない。
貴族 が、蛆虫 に。
恐ろしいことじゃないか。
おや、今度は何を見ているんだい?
隣の席のカップルかい?
二人とも美しいねぇ。
そうさ、彼らも二人とも貴族 だよ。
貴族 の穢れない聖なる魂が惹かれあうのは当然じゃないか。
二人の調和した美しさは、魂の共鳴の反映に過ぎない。
見惚れてしまうね。
しかし、見惚れていていいのかな?
君は、そう、君は、蛆虫 だ。
それが貴族 のカップルの隣で同じ高さのソファーに腰掛けてるなんて…
恐ろしく不敬なことだよね。
君は知っている。
今すぐにテーブルの下に平伏さなくてはいけない。
見てごらん、ちょうどスペースがある。
君のためのスペースだ。
そのソファーは、貴族 が座るべきものだ。
さあ今だ。
二人のおしゃべりを邪魔しないようにね。
静かに床に正座して、上体をゆっくり倒して、手と額を床につけたまま這うようにして項を二人の足の間に項を差し出すんだ。
二人はきっと、テーブルの上ではおしゃべりを続けたまま、テーブルの下では君を踏みつけてくれる。
彼のほうが先に君の後頭部に足を載せてしっかりと踏みつけ、君の顔面はぺしゃんこになって床にしっかりと接地する。
あうんの呼吸で彼女の方が君の項に軽く靴を載せる。
それからは、テーブルの上のふたりのおしゃべりのリズムが、二人の踏みつけ圧のリズムを通して、テーブルの下の君にも伝わってくる。
ありがたいことじゃないか。
さあ、今だ。
おや、どうしたんだい?
射精してしまったのか。
さすがは、蛆虫 だね。
せっかくのコーヒーも飲まずに…
あの店員さんかい?
きれいだねぇ。
ハーフかな?クォーターかな?
そうか、君はさっき、私が先日書いた記事を読んだんだね。
そして、この世界の真実に気づいてしまった。
そうだよ、彼女は
そして君は、
何をしているんだい?
君は知っている。
彼女は
いっそ彼女に殺虫剤で駆除してもらえれば、そんな自責の念に苛まれなくてすむのにね。
何をしているんだい?
君は知っている。
今すぐに彼女の足下に這っていって、床に手と額をついて、項を差し出して、存在の罪の許しを請わなければならない。
顔面をぴったりと床に密着させてね。
それがどんな結果をもたらすかなんて大した問題じゃない。
君はそうしなければならないことを知っている。
それなのにそうしないことが、どれだけ恐ろしい不敬な大罪になるか知っている。
さあ、行くんだ。
何をしているんだい?
君のグラスの中の冷水が空になっていることに彼女が気づいたら、彼女は冷水を注ぎに来るかもしれない。
そのとき君に「いかがですか?」なんていって、軽くお辞儀なんかするかもしれない。
恐ろしいことじゃないか。
おや、今度は何を見ているんだい?
隣の席のカップルかい?
二人とも美しいねぇ。
そうさ、彼らも二人とも
二人の調和した美しさは、魂の共鳴の反映に過ぎない。
見惚れてしまうね。
しかし、見惚れていていいのかな?
君は、そう、君は、
それが
恐ろしく不敬なことだよね。
君は知っている。
今すぐにテーブルの下に平伏さなくてはいけない。
見てごらん、ちょうどスペースがある。
君のためのスペースだ。
そのソファーは、
さあ今だ。
二人のおしゃべりを邪魔しないようにね。
静かに床に正座して、上体をゆっくり倒して、手と額を床につけたまま這うようにして項を二人の足の間に項を差し出すんだ。
二人はきっと、テーブルの上ではおしゃべりを続けたまま、テーブルの下では君を踏みつけてくれる。
彼のほうが先に君の後頭部に足を載せてしっかりと踏みつけ、君の顔面はぺしゃんこになって床にしっかりと接地する。
あうんの呼吸で彼女の方が君の項に軽く靴を載せる。
それからは、テーブルの上のふたりのおしゃべりのリズムが、二人の踏みつけ圧のリズムを通して、テーブルの下の君にも伝わってくる。
ありがたいことじゃないか。
さあ、今だ。
おや、どうしたんだい?
射精してしまったのか。
さすがは、
- 関連記事
-
- ブログ移転 (2021/09/01)
- 続・マゾヒズムの階級的考察または生きづらい世の中を生き抜くために~白昼夢大作戦 (2014/02/12)
コメント
すごいですね…
Re: タイトルなし
whiteさん
ありがとうございます!
ありがとうございます!
コメント
初コメントです。おもしろい。。。というより興奮してしまいますね笑
恥ずかしながら最近このサイトを見つけたので、毎日ちょっとずつ楽しみに見させていただいています。
私は春から文学部に進むのですが、高校の時愛読した谷崎潤一郎を勉強したいと思っています。
そのために読むべき研究書などはあるでしょうか?
失礼なコメントですいません。よろしく御願いします。
恥ずかしながら最近このサイトを見つけたので、毎日ちょっとずつ楽しみに見させていただいています。
私は春から文学部に進むのですが、高校の時愛読した谷崎潤一郎を勉強したいと思っています。
そのために読むべき研究書などはあるでしょうか?
失礼なコメントですいません。よろしく御願いします。
Re: コメント
T男さん
コメントありがとうございます!
若い方に読んでいただき、興味を持っていただけたことはすごくうれしいです。
谷崎作品をもっとも正しく理解し、評しているのはやはり沼正三の「ある夢想家の手帖から」だと思います。
こちらをご参照ください。
http://victoryofwhite.blog114.fc2.com/blog-entry-63.html
「手帖」は世の谷崎評について
女に踏まれたいという気持ち(スクビズム)を実際に感じたことのない人に(中略)谷崎文学を十分に味わえるのか、を私は疑うものだが、その点たいていの批評家は失格である。(中略)『饒太郎』ではクラフト・エビングへの言及さえあるのだが、勉強が足りない。
★野口武彦氏の『谷崎潤一郎論』中「マゾヒズムの逆説」は、この点彼のマゾヒズムを初めて本格的に取り扱ったものと言えよう。(第一四章「白人崇拝」)
と書いています。
しかしその後は世の評論にも谷崎のマゾヒズムや西洋崇拝を取り上げたものが多く出てきているように思います。
ただ具体名は今あまり出てこないので、追い追いご紹介していきたいと思います。
細江光という人の評論は、そのあたりかなり核心をついていたように記憶しています。
ぜひぜひまた記事の感想や谷崎論に関するご意見をお聞かせいただけるとうれしいです。
コメントありがとうございます!
若い方に読んでいただき、興味を持っていただけたことはすごくうれしいです。
谷崎作品をもっとも正しく理解し、評しているのはやはり沼正三の「ある夢想家の手帖から」だと思います。
こちらをご参照ください。
http://victoryofwhite.blog114.fc2.com/blog-entry-63.html
「手帖」は世の谷崎評について
女に踏まれたいという気持ち(スクビズム)を実際に感じたことのない人に(中略)谷崎文学を十分に味わえるのか、を私は疑うものだが、その点たいていの批評家は失格である。(中略)『饒太郎』ではクラフト・エビングへの言及さえあるのだが、勉強が足りない。
★野口武彦氏の『谷崎潤一郎論』中「マゾヒズムの逆説」は、この点彼のマゾヒズムを初めて本格的に取り扱ったものと言えよう。(第一四章「白人崇拝」)
と書いています。
しかしその後は世の評論にも谷崎のマゾヒズムや西洋崇拝を取り上げたものが多く出てきているように思います。
ただ具体名は今あまり出てこないので、追い追いご紹介していきたいと思います。
細江光という人の評論は、そのあたりかなり核心をついていたように記憶しています。
ぜひぜひまた記事の感想や谷崎論に関するご意見をお聞かせいただけるとうれしいです。
コメントの投稿
トラックバック
http://victoryofwhite.blog.2nt.com/tb.php/90-6e7cd775